未決勾留日数を本刑に算入する際全部を算入するかまたは一部を算入するかを裁判所の自由裁量にまかせている刑法第二一条が憲法に違反しないことは、昭和二二年(れ)第一〇五号同二三年四月七日大法廷判決、刑集二巻四号二九八頁の趣旨に照らし明らかである。
刑法第二一条の合憲性
刑法21条,憲法11条,憲法12条,憲法13条
判旨
刑法21条が未決勾留日数の本刑への算入を裁判所の裁量に委ねている点は、憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
未決勾留日数の算入について、裁判所の裁量を認める刑法21条の規定が憲法に違反するか(未決勾留算入規定の合憲性)。
規範
未決勾留日数を本刑に算入する際、その全部を算入するかまたは一部を算入するかを裁判所の自由裁量に任せることは合憲である。
重要事実
被告人Bおよび被告人Cは、刑事裁判において未決勾留日数の算入に関する刑法21条の規定が憲法に違反すると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、既往の大法廷判決(昭和23年4月7日)の趣旨を引用し、未決勾留日数の算入範囲を裁判所の裁量に委ねる刑法21条の仕組みは憲法に抵触しないと判断した。本件における具体的算入の当否についても、裁量権の逸脱等は認められない。
事件番号: 昭和48(あ)834 / 裁判年月日: 昭和48年11月9日 / 結論: その他
甲事件の裁判確定によりその本刑に法定通算されるべき未決勾留と重複する未決勾留を乙事件の本刑に算入しても、乙事件の裁判当時甲事件の裁判が未確定の状態であるときは、ただちにこれを違法なものとはいえないが、のちに甲事件の裁判が確定し法定通算されるべき未決勾留が、その本刑に通算されて刑の執行に替えられたときは、結局、違法なもの…
結論
被告人らの違憲主張には理由がなく、本件各上告を棄却する。
実務上の射程
未決勾留日数の算入に関する裁判所の広範な裁量を認める先例である。司法試験においては、刑法21条の解釈や身分保障・平等原則との関連で同条が争点となる際の合憲性の根拠として引用可能である。
事件番号: 昭和42(あ)2470 / 裁判年月日: 昭和43年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が量刑において被告人の余罪を考慮することは、起訴されていない犯罪事実を実質的に処罰する趣旨でない限り、憲法上の適正手続に反しない。 第1 事案の概要:被告人Bは、一審および原審において有罪判決を受けたが、その量刑に際して起訴されていない犯罪事実が考慮されたとして、憲法違反および刑事訴訟法40…
事件番号: 昭和45(あ)1706 / 裁判年月日: 昭和45年11月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法185条および186条2項が賭博行為を処罰することは、法の下の平等を定める憲法14条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が賭博場開張図利および賭博の罪に問われた事案において、弁護人は、これらの罪を処罰する規定は憲法14条(平等原則)に違反し無効である旨を主張して上告した。 第2 問題の所在…