判旨
速度制限の道路標識が設置されている場合、当該標識が適法かつ有効なものである限り、運転者はその規制を遵守する義務を負う。また、控訴棄却の際に控訴審の訴訟費用を被告人に負担させることは、特段の事情がない限り違法ではない。
問題の所在(論点)
設置された道路標識に基づく速度制限規制の有効性、および控訴棄却時における控訴審訴訟費用の被告人負担の適否が問題となる。
規範
道路交通法上の速度制限規制は、適法かつ有効に設置された道路標識に基づいて行われる。また、刑事訴訟法に基づき、裁判所は控訴を棄却する場合、訴訟費用の全部または一部を被告人に負担させることができる。
重要事実
被告人が速度制限違反に問われた事案において、第一審の有罪判決に対し、被告人側は速度制限の道路標識の適法性・有効性、および量刑不当を理由に控訴した。原判決(控訴審)は、当該標識が適法・有効であると判断して控訴を棄却し、かつ控訴審の訴訟費用を被告人に負担させる旨の言い渡しを行った。
あてはめ
本件における道路標識は、適法かつ有効なものとして設置されていたと認められる。したがって、当該標識に従わなかった被告人の行為は速度違反に該当する。また、控訴審において控訴を棄却するにあたり、訴訟費用を被告人に負担させることは裁判所の裁量権の範囲内であり、手続上の違法は存しない。
結論
本件速度制限の道路標識は適法かつ有効であり、被告人の控訴を棄却して控訴審の訴訟費用を被告人に負担させた原判決に違法はない。
実務上の射程
行政上の規制態様(標識等)が形式的に整っている場合の公定力や適法性推定の論点、および刑事訴訟法上の訴訟費用負担原則を確認する際に引用し得る。ただし、本決定自体は簡潔な棄却決定であるため、詳細な規範定立が必要な場合は、下級審判決や関連する行政法理と併せて検討すべきである。
事件番号: 昭和40(あ)1107 / 裁判年月日: 昭和41年4月15日 / 結論: 破棄自判
道路標識は、いかなる通行を規制するのか容易に判別できる方法で設置すべきものであり、本件一方通行の道路標識のように、その設置場所、設置状況にてらし、どの道路の一方通行を指示するものか明らかでないような方法(判文参照)で設置された標識によつては、適法かつ有効な一方通行の規制がなされているものとはいえない。