判旨
関税法(昭和41年法律第36号による改正前)110条1項1号、2項に基づく関税逋脱未遂罪の成否について、原判決の法令適用に誤りはないとして、上告を棄却した。
問題の所在(論点)
改正前関税法110条1項1号および2項が定める関税逋脱未遂罪の適用において、法令の解釈および適用に誤りがあるか。また、憲法違反の事由が存在するか。
規範
関税逋脱未遂罪(改正前関税法110条1項1号、2項)の成立については、当該規定の文言に基づき、逋脱の目的をもって隠蔽や虚偽の申告等の実行に着手したことを要する。
重要事実
被告人が関税を免れる目的をもって、何らかの行為(具体的な事案の詳細は本判決文からは不明)に及んだところ、関税法違反(関税逋脱未遂)として起訴された。第一審および控訴審は有罪としたため、被告人側が関税法の解釈適用の誤りや憲法違反を主張して上告した。
あてはめ
最高裁は、弁護人の主張する憲法違反は実質的には単なる関税法の解釈適用の誤りをいうものであり、適法な上告理由に当たらないと判断した。また、適用法条を昭和41年改正前の関税法110条1項1号、2項とした原判決の判示に誤りは認められず、刑訴法411条を適用すべき事由も存在しないと評価した。
結論
本件関税逋脱未遂の罪につき、原判決が適用した法条および解釈は適法であり、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、特定の具体的な行為態様に対する判断を示すものではなく、関税法改正前後の適用法条の確認にとどまっている。司法試験等においては、関税法上の未遂罪の成立時期や、形式的な上告理由の適格性(単なる法令違反を憲法違反と強弁することの不当性)を確認する際の参照資料となる。
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