判旨
公職選挙法252条の規定による選挙権および被選挙権の停止は、憲法14条、44条および39条に違反しない。
問題の所在(論点)
公職選挙法252条に基づき、選挙犯罪等により刑に処せられた者の選挙権・被選挙権を停止する措置が、憲法14条、44条および39条に違反するか。
規範
選挙権・被選挙権に対する制限が憲法14条、44条、39条に適合するかについては、過去の大法廷判決が示した判断枠組みを維持する。具体的には、選挙の公正を確保するための合理的制限として、特定の犯罪を犯した者に対し一定期間の権利停止を課すことは、法の下の平等や二重処罰の禁止等に抵触しない。
重要事実
被告人が公職選挙法違反の罪に問われ、同法252条の規定に基づき、有罪判決に伴って選挙権および被選挙権が停止されることとなった。被告人側は、この権利停止が憲法14条(法の下の平等)、44条(投票資格における差別禁止)、39条(二重処罰の禁止等)に違反すると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、昭和30年2月9日および昭和37年11月7日の各大法廷判決を援用した。公職選挙法252条の制限は、選挙の公正かつ適正な実施を確保するという正当な目的のための合理的範囲内の制限であり、特定の犯罪歴に基づく差異は不当な差別(憲法14条、44条違反)には当たらない。また、行政上の制裁的側面を有する権利停止は、刑事罰そのものの反復ではなく、二重処罰(憲法39条違反)にも該当しないと判断される。
結論
公職選挙法252条による選挙権・被選挙権の停止は憲法に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、選挙権制限の合憲性に関する確立した判例法理を確認するものである。答案上は、権利の重要性を前提としつつも、選挙の公正確保という「公共の福祉」による制限の合理性を肯定する際の論拠として使用できる。
事件番号: 昭和29(あ)3703 / 裁判年月日: 昭和30年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法252条1項、2項による選挙権および被選挙権の停止規定は、憲法14条および44条ただし書に違反しない。 第1 事案の概要:被告人らは公職選挙法違反の罪に問われ、有罪判決を受けた。弁護人は、同法252条1項および2項が定める選挙権・被選挙権の停止規定が憲法14条および44条ただし書に違反す…