判旨
賭博開張図利罪の処罰規定は、何人に対しても差別なく平等に適用されるものであるから、法の下の平等を定めた憲法14条に反しない。
問題の所在(論点)
賭博開張図利罪(刑法186条2項)による処罰は、憲法14条1項の定める法の下の平等に反し違憲ではないか。
規範
刑法上の犯罪について、その処罰規定が何人に対しても一律に禁止され、かつ差別なく処罰されるものであるならば、当該規定は憲法14条が保障する法の下の平等の原則に抵触するものではない。
重要事実
被告人が賭博開張図利の行為により起訴され、有罪判決を受けた事案において、弁護人が当該処罰規定について憲法14条違反を主張し、上告した。
あてはめ
賭博開張図利の行為は、特定の属性や身分を有する者に限定されず、何人に対しても一律に禁止されている。また、これに違反した者は、何人も差別なく同様に処罰の対象となる。したがって、特定の者のみを不当に差別する運用がなされているとは認められず、法の下の平等の前提を欠く主張であるといえる。
結論
賭博開張図利罪の処罰は憲法14条に違反しない。したがって、被告人の上告を棄却すべきである。
実務上の射程
本判決は憲法14条の「法の下の平等」の解釈に関する極めて簡潔な判断であるが、刑罰法規が一般的に適用され、特定の差別的意図に基づかない限り違憲とはならないという枠組みを示している。司法試験においては、平等権の侵害が問題となる刑事罰の論点において、形式的平等が担保されているかを確認する際の最小限の基準として参照し得る。
事件番号: 昭和45(あ)2037 / 裁判年月日: 昭和47年2月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人がいわゆるやくざの組長であるという事実を量刑の資料とすることは、直ちに被告人に対し不利益な差別的処遇をするものとはいえず、憲法14条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人がいわゆる「やくざの組長」であるという事実に基づき、裁判所が量刑の判断を行ったところ、弁護人がこの判断は特定の身分に基づ…
事件番号: 昭和46(あ)931 / 裁判年月日: 昭和46年6月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人が暴力団の一員であることを理由に直ちに量刑上不利益な差別的処遇をすることは憲法14条に反するが、暴力団員であることを量刑事情の一つとして考慮することは直ちに同条違反とはならない。 第1 事案の概要:被告人が暴力団の一員であった事案。原審は被告人に対して有罪判決を言い渡したが、その量刑の際、被…
事件番号: 昭和44(あ)2511 / 裁判年月日: 昭和45年4月14日 / 結論: 棄却
上告趣意は、憲法一四条違反をいうが、原判決は、被告人が過去において暴力団に属していた事実を、量刑の一資料としたにすぎず、右事実をもつて、直ちに被告人に対し不利益な差別的処遇をしたものではないから、所論違憲の主張は前提を欠く。