原判決の弁護士法第七三条にいわゆる「業とする」とは、同法第七二条と同じく、具体的に為された行為の多少を問わず、反覆継続の意思のもとに所定の行為をすることを云うものであるとの判断は正当である。
弁護士法第七三条にいう「業とする」の意義。
弁護士法73条
判旨
弁護士法73条にいう「業とする」とは、同法72条と同様に、具体的に行われた行為の回数の多寡にかかわらず、反復継続の意思をもって所定の行為をすることを指す。
問題の所在(論点)
弁護士法73条(譲渡された権利の実行を業とすることの禁止)における「業とする」の意義が、同法72条(非弁活動の禁止)における解釈と同一であるか、またその具体的判断基準が問題となった。
規範
弁護士法73条に規定される「業とする」とは、同法72条における解釈と同様、当該行為が反復継続の意思をもって行われることを要件とする。具体的に為された行為が少数であっても、反復継続の意思が認められる限り、同条の「業とする」に該当する。
重要事実
本件は、弁護士法73条(譲受権利の実行を業とすることの禁止)違反が問われた事案である。被告人側は、行為の回数や態様等から「業とする」の該当性を争い、事実誤認および法令違反を理由に上告した。判決文からは具体的な譲受の回数や対象債権の詳細は不明である。
あてはめ
最高裁は、原判決の判断を正当として引用し、弁護士法73条の「業とする」という要件について、同法72条の解釈を類推・適用した。すなわち、行為の回数という客観的事実のみに依拠するのではなく、主観的な「反復継続の意思」の有無を重視すべきとした。本件において、具体的な行為の多少にかかわらず、被告人に反復継続の意思が認められる以上、同条にいう「業とする」に該当すると判断された。
結論
弁護士法73条の「業とする」とは、反復継続の意思をもって所定の行為をすることをいい、行為の多少は問わない。本件上告は棄却された。
実務上の射程
弁護士法72条および73条の「業とする」の定義を共通化させた重要な判例である。答案上では、非弁提携や権利譲受の禁止が問題となる場面で、1回限りの行為であっても将来的な反復意思が認定できれば「業」にあたると論じる際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和48(あ)679 / 裁判年月日: 昭和51年3月23日 / 結論: 破棄自判
弁護士法七二条にいわゆる「業とする」とは、反覆継続して行う意思のもとに同条列記の行為をすることをいうものと解されるところ、およそ、ある種行為に対する反覆継続の意思の有無を認定するにあたつては、当該本人が同種行為をどの程度行つているかを認定するに若くはないのであつて、それが適切な証拠調に基づいて認定されるものである限り、…
事件番号: 昭和36(あ)2883 / 裁判年月日: 昭和37年10月4日 / 結論: 棄却
弁護士でない者が報酬を得る目的で、原判示の事情のもとで債権者から債権の取立の委任を受けて、その取立のため請求、弁済の受領、債務の免除等の諸種の行為をすることは、弁護士法第七二条の、「その他一般の法律事件」に関して、「その他の法律事務」を取り扱つた場合に該当する。