判旨
既に確定判決を経た事件について、重ねて公訴が提起され、これに基づき略式命令が発せられた場合、当該公訴は確定判決があるときに該当し、免訴の判決を言い渡すべきである。
問題の所在(論点)
同一の犯罪事実について既に確定した略式命令が存在する場合に、再度なされた公訴提起及びそれに基づく略式命令の効力はどうなるか。
規範
刑事訴訟法337条1号は、確定判決を経たときには判決で免訴の言渡しをしなければならないと規定する。また、非常上告において、被告人に不利益であること及び法令違反が明らかである場合には、原判決を破棄し、自ら免訴の自判をすべきである(同法458条1号、337条1号)。
重要事実
被告人は、昭和36年10月12日の道路交通法違反(免許証不携帯運転)の事実に関し、同年11月15日に公訴提起され、同年12月8日に罰金1,000円の略式命令が確定した。しかし、検察官は右略式命令請求前である同年1月23日に、同一の事実について重ねて略式命令の請求を行い、これに基づき裁判所は昭和37年1月30日に罰金1,000円の略式命令を発し、同年2月24日に確定させた。
あてはめ
本件における二度目の略式命令(昭和37年1月30日付)に係る犯罪事実は、一度目の略式命令(昭和36年11月20日付)と「同一の事実」である。一度目の略式命令は昭和36年12月8日に確定しており、二度目の略式命令が確定する以前に、既に本件公訴事実に係る事件は確定判決を経た状態にあった。したがって、二度目の略式命令は確定判決があるにもかかわらずなされたものであり、法令に違反し、かつ被告人に二重の刑罰を課すもので不利益であることが明らかである。
結論
原略式命令を破棄し、刑事訴訟法337条1号により被告人を免訴する。
実務上の射程
二重起訴の禁止および一事不再理の原則が略式命令においても適用されることを確認した事例である。実務上、同一事実への重ねての発令は重大な法令違反であり、確定後は非常上告による救済対象(免訴事由)となる。
事件番号: 昭和39(さ)6 / 裁判年月日: 昭和39年10月27日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】確定判決がある事件と同一の犯罪事実について重ねて略式命令が発せられた場合、一事不再理の原則に基づき、刑事訴訟法337条1号により免訴を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、道路交通法違反の罪により、昭和39年2月1日付の略式命令を受け、同年2月21日にこれが確定した。しかし、同一の犯罪…
事件番号: 昭和41(さ)2 / 裁判年月日: 昭和41年5月27日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】既に確定した略式命令と同一の公訴事実について重ねて公訴が提起された場合、裁判所は刑訴法337条1号に基づき、判決で免訴を言い渡さなければならない。 第1 事案の概要:被告人は、昭和38年11月15日の無免許運転の事実について、同年12月5日に罰金6000円の略式命令が確定した。しかし、その後、検察…