判旨
裁判所が刑法21条に基づき未決勾留日数を本刑に算入する際、現実に存在する未決勾留日数を越えて算入することは同条の適用を誤った違法な裁判となる。したがって、実日数を上回る20日の算入を認めた原判決は破棄され、実日数である11日に修正されるべきである。
問題の所在(論点)
刑法21条に基づく未決勾留日数の算入において、現実に勾留されていた期間を超えて算入日数を指定することの適法性が、同条の解釈に関連して問題となる。
規範
刑法21条に基づく未決勾留日数の算入は、身柄を拘束されていた実日数(現実に存在する未決勾留日数)を上限とする。裁判所がこの実日数を越えて算入の裁判を行うことは、法の適用を誤った違法な判断となる。
重要事実
被告人は第一審で懲役刑等の言渡しを受け、同日保釈失効により収監されたが、10日後に保釈決定により釈放された。その後、原審(控訴審)判決まで収監・勾留されることはなかった。原判決は控訴を棄却するとともに、当審(控訴審)における未決勾留日数のうち20日を算入すると言い渡した。
あてはめ
記録上、被告人が第一審判決後の控訴提起から釈放までに身柄を拘束されていた期間は、計算上11日間であることが明白である。しかし、原判決はこの実日数を越える「20日」の算入を言い渡している。これは、現実に存在しない未決勾留日数の算入を含むものであり、刑法21条の適用を誤った違法な裁判といえる。かかる違法は、正義に反するものとして破棄の対象となる。
結論
原判決のうち、未決勾留日数20日を算入した部分は破棄を免れない。現実に存在する未決勾留日数である11日を本刑に算入するのが相当である。
実務上の射程
裁判所が未決勾留日数を算入する際、実日数を超えて裁量的に算入日数を増やすことはできないという限界を示した事例。答案上は、刑法21条の適用にあたって「現実に存在する日数」という客観的な歯止めの重要性を指摘する際に参照し得る。
事件番号: 昭和41(あ)546 / 裁判年月日: 昭和41年9月13日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】未決勾留日数の算入(刑法21条)において、裁判所が実際に勾留されていた日数を超えて算入することは同条の解釈適用を誤った違法であり、破棄の対象となる。 第1 事案の概要:被告人は第一審判決(懲役3年)の宣告後、控訴を申し立てた。被告人は第一審判決宣告時から引き続き勾留されていたが、昭和40年10月1…
事件番号: 昭和55(あ)409 / 裁判年月日: 昭和55年7月18日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】懲役刑等の執行と期間が重複する未決勾留の日数は、刑法21条に基づき本刑に算入することはできない。未決勾留日数の算入が許されるのは、別罪の刑の執行が終了した日の翌日から判決言渡し前日までの期間に限られる。 第1 事案の概要:被告人は、本件被告事件について勾留中であったが、その期間内に、別罪(業務上過…