入場税法の一部を改正する法律(昭和三七年法律第五〇号)附則第四項にいう罰則のうちには、右法律による改正前の入場税法(昭和二九年法律第九六号)第二九条の規定も含まれると解するのと相当する。
入場税法の一部を改正する法律(昭和三七年法律第五〇号)附則第四項により適用される罰則の範囲。
入場税法の一部を改正する法律(昭和三七年法律第五〇号)附則4項,入場税法(昭和三七年法律第五〇号による改正前の昭和二九年法律第九六号)29条
判旨
改正法律の附則における「罰則」の適用に関する規定には、明示がなくとも、改正前の旧法における罰則規定も含まれると解するのが相当である。
問題の所在(論点)
法律改正の際、附則に「罰則の適用については、なお従前の例による」旨の規定がある場合、その「罰則」に改正前の旧法の罰則規定が含まれるか。特に、旧法の具体的な条文番号が明示されていない場合の解釈が問題となる。
規範
法律の改正に伴う経過措置として附則に定められる「罰則の適用については、なお従前の例による」等の規定における「罰則」には、特段の事情のない限り、当該改正法律による改正前の旧法に規定されていた罰則自体も含まれる。
重要事実
被告人が、改正前の入場税法(昭和29年法律第96号)29条の規定に抵触する行為を行った。その後、入場税法の一部を改正する法律(昭和37年法律第50号)が施行され、その附則4項には「罰則の適用」に関する経過措置が置かれていた。弁護人は、当該附則の「罰則」には改正前の同法29条が含まれないとして、違憲・違法を主張し上告した。
あてはめ
昭和37年法律第50号(入場税法改正法)附則4項は、改正に伴う処罰の空白を避けるための経過措置である。同項が指す「罰則」という文言は、文理上および法の連続性を維持する趣旨から、改正前の入場税法(昭和29年法律第96号)29条を包含していると解される。したがって、旧法下で行われた行為に対して改正後の附則を適用し処罰することは、罪刑法定主義等に反するものではない。
結論
昭和37年法律第50号附則4項にいう罰則には、改正前の入場税法29条の規定が含まれる。したがって、旧法違反の行為に対して同条を適用することは適法である。
実務上の射程
法令改正時における罰則の経過措置に関する解釈指針を示す。新旧法の切り替え時期に行われた犯罪行為に対し、どの罰則を適用すべきかが問題となる事案において、附則の「罰則」という概念の射程を画定する際に活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)5748 / 裁判年月日: 昭和28年3月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法律の改正により行為後の罰則が廃止された場合であっても、改正法附則において施行前の行為につき従前の例による旨の経過規定があるときは、刑法6条及び刑訴法337条2号(免訴)は適用されない。 第1 事案の概要:被告人はメリヤス類に関する課税に関連して起訴されたが、その後、当該物品を課税対象から削除する…