外国為替及び外国貿易管理法第二七条第二項第一号は、非居住者が同号記載の費用を支弁するため本邦通貨で支払う場合を規定したものと解すべきである(昭和三六年(あ)第二五四三号同三七年一二月一八日第三小法廷決定、刑集一六巻一二号一七〇六頁参照)。
外国為替及び外国貿易管理法第二七条第二項第一号の解釈。
外国為替及び外国貿易管理法27条2項1号
判旨
旧外国為替及び外国貿易管理法27条2項1号の規定は、非居住者が同号に規定される滞在費等の費用を支弁するために、日本国内で本邦通貨を用いて支払を行う場合について規定したものである。
問題の所在(論点)
旧外為法27条2項1号が定める「非居住者が……費用を支弁するため本邦通貨をもつてする支払」の意義および適用範囲が問題となった。
規範
旧外国為替及び外国貿易管理法27条2項1号(現行法上の関連規定参照)の支払規制は、非居住者が同号記載の費用(滞在費等)を支弁するために本邦通貨をもって支払う場合を対象とする。
重要事実
被告人が、非居住者による日本国内での費用支弁に関連して、当時の外国為替及び外国貿易管理法(外為法)27条2項1号に抵触する行為を行ったとして起訴された事案。弁護人は、同条項の解釈について法令違反があるとして上告した。
事件番号: 昭和36(あ)2543 / 裁判年月日: 昭和37年12月18日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法第二七第二項第一号は、非居住者が同号記載の費用を支弁するため本邦通過で支払う場合を規定したものと解すべきである。
あてはめ
最高裁は、先行する判例(昭和37年12月18日決定)を引用し、同条項の解釈を明示。本件における具体的な支払主体が非居住者であり、その目的が同号所定の費用支弁のために本邦通貨(日本円)で行われたものである限り、同条項の規制対象に含まれると解した。本件記録を精査しても、原判決に職権で破棄すべき重大な誤り(刑訴法411条)は認められないと判断した。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、棄却される。
実務上の射程
外為法上の「支払」規制の対象を画定する際の基礎的な解釈を示す。非居住者による国内での円貨支払が、限定的に列挙された費用支弁目的である場合に規制が及ぶことを確認する際に応用できる。ただし、現行外為法では制度設計が大きく変更されているため、当時の立法趣旨と現行法の構造的差異に注意が必要である。
事件番号: 昭和36(あ)2939 / 裁判年月日: 昭和37年11月15日 / 結論: 棄却
一 約束手形は、外国為替及び外国貿易管理法第六条第一項第七号の支払手段に含まれる。 二 外国為替及び外国貿易管理法第二七条第二項第一号に規定する支払の主体には、非住居者に限られ、居住者を含まない。
事件番号: 昭和37(あ)624 / 裁判年月日: 昭和40年1月20日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法第二七条第一項第三号は憲法第二九条に違反しない。
事件番号: 昭和39(あ)2728 / 裁判年月日: 昭和40年9月10日 / 結論: 棄却
非居住者に対して、いわゆる「預り円」を支払うことは、外国為替及び外国貿易管理法第二七条第一項第二号前段の規制の対象となる。
事件番号: 昭和36(あ)1198 / 裁判年月日: 昭和40年11月26日 / 結論: 棄却
一 「本件の場合は、右支払当時貨物は特定していたと認められるばかりか、外国為替及び外国貿易管理法第二八条にいう外国にある財産は特定し得るものであれば足り、必ずしも支払時において特定していることを要しない」旨の原判断は正当である。 二 同条にいわゆる関連支払の禁止は、代償支払禁止の補完的規定であるから、外国にある財産取得…