外国為替及び外国貿易管理法第二七第二項第一号は、非居住者が同号記載の費用を支弁するため本邦通過で支払う場合を規定したものと解すべきである。
外国為替及び外国貿易管理法第二七条第二項第一号の支払の主体。
外国為替及び外国貿易管理法27条2項1号
判旨
旧外国為替及び外国貿易管理法27条2項1号の規定は、非居住者が同号に規定される費用を支弁するために本邦通貨で支払を行う場合を規制の対象とするものである。
問題の所在(論点)
旧外国為替及び外国貿易管理法27条2項1号が定める「支払」の規制対象に、非居住者が本邦通貨をもって同号所定の費用を支弁する場合が含まれるか。
規範
旧外国為替及び外国貿易管理法27条2項1号の解釈について、同号は非居住者が同号記載の費用を支弁するため本邦通貨で支払う場合を規定したものと解すべきである。
重要事実
上告人は、旧外国為替及び外国貿易管理法違反等の罪で起訴された。弁護人は、原判決の法令適用に違反があり、それを前提として憲法違反があると主張して上告した。具体的には、非居住者が本邦通貨で支払を行う行為に対する同法27条2項1号の適用範囲が争点となった。
あてはめ
事件番号: 昭和37(あ)906 / 裁判年月日: 昭和38年12月4日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法第二七条第二項第一号は、非居住者が同号記載の費用を支弁するため本邦通貨で支払う場合を規定したものと解すべきである(昭和三六年(あ)第二五四三号同三七年一二月一八日第三小法廷決定、刑集一六巻一二号一七〇六頁参照)。
最高裁は、同条項の趣旨に照らし、非居住者が同号に掲げられた諸費用を支弁する目的で、日本の通貨(本邦通貨)を用いて支払を行う行為は、同条項の規制対象に含まれると判断した。これにより、原判決における法令の適用は正当であるとされ、その前提となる違憲の主張も理由がないとされた。
結論
本件上告は棄却される。非居住者による本邦通貨での支払は、旧外為法27条2項1号の適用を受ける。
実務上の射程
本判決は、外為法上の「支払」の規制範囲について、非居住者による本邦通貨の使用も含むことを明示したものである。経済規制法規における用語の意義を、法の目的や実効性の観点から解釈する際の参考となるが、現行法下での具体的な適用範囲については現在の条文構成に留意する必要がある。
事件番号: 昭和36(あ)2939 / 裁判年月日: 昭和37年11月15日 / 結論: 棄却
一 約束手形は、外国為替及び外国貿易管理法第六条第一項第七号の支払手段に含まれる。 二 外国為替及び外国貿易管理法第二七条第二項第一号に規定する支払の主体には、非住居者に限られ、居住者を含まない。
事件番号: 昭和37(あ)624 / 裁判年月日: 昭和40年1月20日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法第二七条第一項第三号は憲法第二九条に違反しない。
事件番号: 昭和41(あ)1980 / 裁判年月日: 昭和42年10月31日 / 結論: 棄却
船用品納入業者(A)が、法定の除外事由がないにもかかわらず、非居住者である外国船の船長その他の乗組員に対し、いわゆるBまたはC名義の下に、本邦通貨である日本円を支払つたときは、外国為替及び外国貿易管理法第二七条第一項第二号前段、第七〇条第七号の罪が成立する。
事件番号: 昭和39(あ)2728 / 裁判年月日: 昭和40年9月10日 / 結論: 棄却
非居住者に対して、いわゆる「預り円」を支払うことは、外国為替及び外国貿易管理法第二七条第一項第二号前段の規制の対象となる。