判旨
勾留の事由の有無に関する原審の事実認定を争うことは、適法な特別抗告理由とならない。
問題の所在(論点)
勾留の事由(刑訴法60条1項)の存否に関する原審の認定を争うことが、刑事訴訟法上の適法な特別抗告理由となるか。
規範
刑事訴訟法433条1項に基づく特別抗告において、同法60条1項所定の勾留の事由が認められないとした原審の事実認定の不当を主張することは、憲法違反や判例抵触を理由とするものではないため、適法な抗告理由には当たらない。
重要事実
刑事訴訟法60条1項所定の勾留の事由が認められないとした原審の決定に対し、特別抗告人が各高等裁判所の判例を引用して不服を申し立てた事案である。
あてはめ
申立人が引用した各高等裁判所の判例は本件と事案を異にするものであり、実質的な判例抵触はない。また、申立人の主張は結局のところ勾留の事由を否定した原審の認定を非難するにすぎず、特別抗告が許容される憲法違反等の事由には該当しない。
結論
本件特別抗告は棄却される。
実務上の射程
特別抗告の審理範囲が憲法違反や最高裁(または最高裁がない場合の高裁)判例抵触に限定されていることを確認するものである。実務上、事実誤認を理由とする特別抗告が不適法とされる典型的な判断枠組みとして参照される。
事件番号: 昭和33(し)41 / 裁判年月日: 昭和33年7月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法60条1項所定の勾留の事由の有無に関する原審の認定を不服とする主張は、適法な特別抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:本件は、被告人に対する勾留の事由が認められないとした原審の判断(勾留の取消しまたは執行停止等に関する判断と推測されるが、詳細は判決文からは不明)に対し、検察側あるい…
事件番号: 昭和33(し)33 / 裁判年月日: 昭和33年7月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法60条1項所定の勾留の事由の有無に関する原審の事実認定を非難するものは、適法な特別抗告理由とはならない。勾留の事由の判断は、個別の事案に応じた裁判所の事実認定に委ねられる事項である。 第1 事案の概要:被疑者または被告人に対し、刑事訴訟法60条1項所定の勾留の事由が認められないとした原審…
事件番号: 昭和33(し)62 / 裁判年月日: 昭和33年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】学問の自由であっても公共の福祉による内在的制限を受け、犯罪捜査に必要な捜索・差押えを免れる絶対的な特権ではないが、捜査機関はその執行に際し、学問の自由を阻害しないよう十分な考慮を払うべきである。 第1 事案の概要:教育研究所(A)に対し、警察が犯罪捜査を目的として捜索・差押えの令状を執行しようとし…
事件番号: 昭和33(し)65 / 裁判年月日: 昭和33年9月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留状に基づき拘束されていた被疑者が既に釈放され、当該勾留状が失効した場合には、もはやその効力を争う訴えの利益は失われる。 第1 事案の概要:被疑者等は、昭和33年8月26日に福岡地方裁判所が発した勾留状に基づき勾留されていた。しかし、同年9月2日に被疑者等は釈放され、当該勾留状は同日をもって失効…
事件番号: 昭和33(し)69 / 裁判年月日: 昭和33年10月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留状により勾留されていた被疑者が釈放され勾留状が失効した場合には、原決定を取り消す実益がないため、特別抗告はその理由について裁判をする実益を欠く。 第1 事案の概要:被疑者等は、昭和33年9月2日に発せられた勾留状に基づき勾留されていた。しかし、同年9月7日に留置必要事由が消滅したとして釈放され…