軍票の収受者又は所持者がその収受し若しくは所持する軍票を正当の理由なく他に譲り渡すなど、同条項により命ぜられた日本銀行への寄託と全く相容れない処分行為をするにおいては、その者に対しては、もはや右に命ぜられた寄託行為の如きは到底望むべくもなく、その義務違反は明らかなところであるというべきであるから、この時において、同条項違反罪は完全に成立するものと解しなければならない。
昭和二七年政令第一二七号第四条第二項違反(軍票不寄託)罪の成立時期
外国為替及び外国貿易管理法21条,外国為替及び外国貿易管理法70条22号,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基く行政協定の実施に伴う外国為替管理令等の臨時特例に関する政令(昭和27年政令127号)4条2項
判旨
上告理由が単なる法令違反の主張にすぎず、刑訴法405条所定の上告理由に該当しない場合には、上告を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
弁護人が主張する「単なる法令違反」が、刑事訴訟法405条の上告理由にあたるか、また、同法411条に基づき職権で原判決を破棄すべき事由があるか。
規範
刑事訴訟法405条の上告理由(憲法違反または判例違反)に該当しない単なる法令違反の主張は、適法な上告理由とはならない。また、職権調査規定である同法411条を適用すべき顕著な正義に反する事由が認められない限り、原判決は維持される。
重要事実
被告人側が原判決に対し上告を申し立てたが、その趣旨は単なる法令違反を主張するものであった。原判決の判示内容および記録を精査した結果、上告理由の欠如および職権破棄事由の存否が争点となった。
事件番号: 昭和33(あ)2254 / 裁判年月日: 昭和34年4月9日 / 結論: 棄却
米国人某から、同人方で、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法当の臨時特例に関する法律第六条、第七条の適用を受けた関税および物品税の免除物品たる米国製テレビジヨン等を、所轄税関の許可を受けないで、秘かに譲り受け、関税および物品税の賦課決定を不能または著しく困難ならしめた場合には…
あてはめ
弁護人の上告趣意は単なる法令違反の主張にとどまり、刑訴法405条が規定する憲法違反や判例違反の事由を含んでいない。また、訴訟記録を検討しても、同法411条を適用して原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認められるような特段の事情(誤判や刑の不当など)は存在しない。したがって、原判決の判断は正当として維持されるべきである。
結論
本件上告には適法な上告理由がなく、職権破棄すべき事由も認められないため、刑訴法414条・386条1項3号により棄却する。
実務上の射程
上告審における形式的審査の枠組みを示す。実務上、上告趣意書において単なる法令違反(事実誤認や単なる解釈の誤り)を主張しても、405条の限定的な上告理由には該当しないため、却下または棄却の対象となることを再確認するものである。
事件番号: 昭和41(あ)709 / 裁判年月日: 昭和41年12月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認の主張は刑訴法405条の上告理由に当たらない。また、記録を精査しても、職権による破棄を定めた刑訴法411条を適用すべき事由は認められない。 第1 事案の概要:被告人本人および弁護人が、原判決に対して事実誤認を理由として上告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):事実誤認の主張が…
事件番号: 昭和45(あ)1325 / 裁判年月日: 昭和46年6月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴審において訴訟費用の裁判を是正し得るのは、単に本案の裁判に対し上訴の申立てがあっただけでは足りず、その上訴が適法かつ理由があり、本案についても下級審の判決が取り消される場合に限られる。 第1 事案の概要:被告人両名に対し、訴訟費用の連帯負担を命じた下級審判決に対し、弁護人が判例違反(法令違反)…