本件被告人等の製造したもの(アルコールを単に水で稀釈したもの)は、酒税法所定の雑酒であるとした原判示は正当である。
アルコールを単に水で稀釈したものは酒税法にいう「酒類」にあたるか
酒税法2条
判旨
被告人らの製造した物品が酒税法所定の「雑酒」に該当すると判断した原判決は、法令違反や事実誤認の誤りはなく正当である。
問題の所在(論点)
被告人らが製造した物品が、酒税法所定の「雑酒」に該当するか。また、その認定に憲法違反や重大な事実誤認があるか。
規範
特定の物品が酒税法上の「酒類(雑酒)」に該当するか否かは、当該物品の成分、製造過程、および同法の定める分類規定に照らして判断される。
重要事実
被告人らは、酒税法上の免許を受けることなく、特定の物品を製造した。この製造物が同法に定める「雑酒」に該当するか否かが、酒税法違反の成否に関わり争点となった。原審は、当該製造物が酒税法所定の雑酒に当たると認定して有罪を言い渡したため、被告人側が法令違反および事実誤認を理由に上告した。
あてはめ
最高裁判所は、記録を精査した結果、被告人らが製造したものが酒税法所定の「雑酒」であるとした原判決の認定は正当であると認めた。弁護人が主張する違憲性の指摘は、実質的には単なる法令違反や事実誤認の主張に過ぎず、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。また、職権で調査しても、刑訴法411条を適用して原判決を破棄すべき顕著な不当性は認められない。
結論
被告人らの製造物は酒税法上の雑酒に該当し、原判決の維持は妥当であるため、上告を棄却する。
実務上の射程
酒税法における酒類の分類認定に関する事例判断の一つであり、特定の製造物が「雑酒」に該当するか否かの事実認定が争点となる場合の指針となる。もっとも、本決定は簡潔な棄却決定であるため、具体的な認定基準の詳細については下級審の判断を前提としている点に留意が必要である。
事件番号: 昭和28(あ)4515 / 裁判年月日: 昭和29年5月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】酒税法違反における酒類の所持について、証拠能力の判断や事実誤認の有無を検討した結果、原判決の判断を維持し、所論の事実関係においても所持罪が成立すると判示した。 第1 事案の概要:被告人が酒税法違反(酒類の不法所持等)に問われた事案。弁護人は、原判決が単なる個人の意見を証拠として採用した点に訴訟法違…