跳躍上申立て棄却決定に対する異議の申立てが電報による期間経過後のものとして不適法とされた事例
刑訴法414条,刑訴法385条1項,刑訴法385条2項
判旨
刑事訴訟法423条1項に規定する異議申立書については、電報による提出は認められず、また法定の申立期間を経過した後にされた申立ては不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
電報による不服申立てが刑事訴訟法423条1項の「申立書」に該当するか。また、法定期間経過後の申立ての適否が問題となる。
規範
刑事訴訟法における上訴や異議の申立ては、書面によることが原則(同法423条1項等)であり、電報はこれに該当しない。また、不服申立ては法定の申立期間内に行われなければならず、期間経過後の申立ては不適法となる。
重要事実
被告人は道路交通法違反等の事件につき、最高裁判所がした跳躍上告申立て棄却の決定に対し、不服として異議の申立てを行った。しかし、当該申立ては電報によってなされたものであり、かつ、刑事訴訟法が定める法定の申立期間を経過した後に提出されたものであった。
あてはめ
本件申立ては電報によるものであり、法423条にいう正当な「申立書」とは認められない。さらに、本件は法414条、386条2項、385条2項、422条に定める不服申立期間を徒過した後にされたものである。したがって、形式面・期間面の両点において適法な要件を欠いていると評価される。
事件番号: 昭和57(す)156 / 裁判年月日: 昭和57年8月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】電報は刑事訴訟法423条に規定される「申立書」には該当せず、電報による異議の申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所がした上告棄却の決定に対し、特別抗告をする旨の電報を送付した。裁判所は、これを決定に対する異議の申立てと解した上で、電報が申立書に該当するかを判断した。 第2 …
結論
本件異議の申立ては不適法であるため、棄却を免れない。
実務上の射程
訴訟手続の確実性と迅速性を重視し、電報という略式の通信手段による申立てを否定するとともに、不変期間の遵守を厳格に求めた判例である。実務上、不服申立書の提出方法と期間の遵守は絶対的な要件であることを再確認する素材となる。
事件番号: 昭和49(す)44 / 裁判年月日: 昭和49年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした上告棄却の決定に対しては、刑事訴訟法上、再上告の申立てをすることは許されない。 第1 事案の概要:申立人Aは、自身に対する道路交通法違反被告事件に関し、最高裁判所が昭和49年2月28日に行った上告棄却決定に不服を抱き、最高裁判所に対し「再上告申立書」と題する書面を提出した。 第2 …
事件番号: 昭和45(す)315 / 裁判年月日: 昭和46年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした上告棄却の決定に対する異議の申立てにおいて、申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ法定の異議申立期間内に理由書が提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対する道路交通法違反等の事件について、最高裁判所が上告棄却の決定をした。これに対し、…
事件番号: 昭和35(す)22 / 裁判年月日: 昭和35年1月25日 / 結論: 棄却
上告棄却決定に対する意義の申立をするには、三日以内に申立書を差し出さなければならないところ、起訴手続の明確を帰する趣旨から見れば、電報はここにいう申立書に該当しないものと解するのが相当である。
事件番号: 昭和55(し)63 / 裁判年月日: 昭和55年6月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判の判決に対しては、刑法・刑事訴訟法上の不服申立てとして特別抗告をすることは認められず、また上告の意思が明確に否定されている場合には上告として扱うこともできないため、当該申立ては不適法である。 第1 事案の概要:被告人は道路交通法違反、有印私文書偽造、同行使の罪に問われ、昭和55年5月30日…