速度違反の禁止処罰と高速度走行の可能な車両の製造・販売を禁止処罰しないことは関係がないとして違憲(一四条)の主張が前提を欠くとされた事例
憲法14条,道交法22条1項,道交法118条1項2号
判旨
高速度走行が可能な原動機付自転車の製造・販売が規制されていない一方で、道路交通法上の最高速度違反を処罰することは、憲法14条の法の下の平等に違反しない。
問題の所在(論点)
高速度走行が可能な車両の流通が許容されている状況下で、その車両による速度制限違反を処罰することが、憲法14条1項の平等原則に抵触するか。
規範
特定の行為が法的に禁止・処罰される一方で、その手段となり得る物品の流通が規制されていないとしても、両者は性質の異なる事柄である。したがって、物品の流通規制の有無にかかわらず、当該禁止規定を適用・処罰することは、法の下の平等に反するものではない。
重要事実
被告人は、道路交通法規に定める最高速度を超える速度で原動機付自転車を運転した。これに対し、被告人側は、国家が高速度で走行できる性能を有する原動機付自転車の製造・販売を禁止・処罰していない一方で、それを用いた速度違反運転のみを禁止・処罰することは、憲法14条1項の法の下の平等に反すると主張して上告した。
あてはめ
車両の製造・販売の自由と、道路交通の安全を確保するための運転方法の規制は、法的な目的および性質を異にする別個の事柄である。高速度走行が可能な車両の存在は、直ちにその最高速度での運転を正当化するものではない。したがって、製造・販売が規制されていないことを理由に、速度違反という違法行為に対する処罰を不平等と評価することはできない。
結論
本件処罰は憲法14条1項に違反せず、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
規制の不均衡を理由とする平等権侵害の主張に対し、行為規制と物自体への規制の法的性質の差異を指摘して排斥する際の論拠として活用できる。
事件番号: 平成5(あ)930 / 裁判年月日: 平成5年12月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】速度違反自動監視装置(オービス)による車両の検挙について、法的手続の適正を欠く等の不当な点は認められず、憲法14条にも違反しない。 第1 事案の概要:被告人が速度違反自動監視装置により速度違反車両として検挙された事案において、被告人は当該検挙が憲法14条(法の下の平等)に違反する不当なものであると…