訴訟費用の連帯負担を命じた裁判の違法に関する刑訴法四一一条一号の判例違反の主張が事案異とされた事例
刑訴法181条,刑訴法185条但書,刑訴法411条1項
判旨
裁判所による証人の採否に関する措置は、裁判所に与えられた広範な自由裁量の範囲内の事柄である。
問題の所在(論点)
裁判所による証人採用の拒否が、被告人の証人喚問権を保障する憲法37条2項に違反するか。また、証人採否に関する裁判所の裁量の範囲が問題となる。
規範
裁判所が行う証人の採否(証拠調べの請求に対する決定)は、裁判所の自由裁量に委ねられており、その判断が裁量権の範囲を逸脱・濫用しない限り、憲法37条2項(証人喚問権)等の違憲の問題は生じない。
重要事実
上告人は、原審(控訴審)における証人採否の措置が不当であり、憲法37条2項に違反すると主張して上告を申し立てた。
あてはめ
本件における原審の記録に照らせば、証人採用を見送った判断は裁判所に認められた自由裁量の範囲内にとどまる。したがって、被告人の防御権を不当に侵害するような裁量の逸脱は認められず、憲法違反という上告理由の前提を欠く。
結論
本件各上告を棄却する。原審の証人採否の措置に憲法違反は認められない。
実務上の射程
刑事訴訟法298条に基づく証拠調べの採否判断について、裁判所の広範な裁量を認める判例である。答案上は、証拠調べ請求の却下の適法性を論じる際、原則として裁判所の自由裁量に属すること、及びそれが裁量を逸脱しない限り違憲・違法とはならないことを示すための根拠として活用できる。
事件番号: 昭和29(あ)2350 / 裁判年月日: 昭和30年2月17日 / 結論: 棄却
公職選挙法違反(戸別訪問)被告事件の証人が公判廷で証言をするに当り、被告人から訪問を受けた日時、目的等について記憶を喪失し、又はその記憶が薄らいで正確な供述ができないため、検察官が証人の記憶を呼び起させるため、やむを得ず、証人が前に検察官に対して供述した内容に基いて尋問しても、これをもつて特に不当な尋問ということはでき…