いわゆる渋谷暴動事件(昭四六・一一・一四)
判旨
共犯者の自白調書の証拠能力について、その任意性に疑いがないと認められる場合には、憲法31条、38条に違反せず、証拠として採用することが認められる。
問題の所在(論点)
共犯者の供述調書について任意性が認められるか、また任意性を肯定した原判決の判断に憲法違反の違憲があるか。
規範
自白調書の証拠能力が認められるためには、その供述が任意になされたものであることを要する。任意性の判断にあたっては、取調べの状況や供述に至る経緯等の諸般の事情を総合考慮し、供述の自由を不当に制圧するような状況がなかったか否かを検討すべきである。
重要事実
被告人A、Bおよびその共犯者らによる刑事事件において、検察官側が共犯者らの各供述調書を証拠として提出した。これに対し弁護側は、当該供述調書には任意性がなく、これを証拠とすることは憲法31条(適正手続き)および38条(黙秘権・自白排除)に違反すると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、記録を精査した結果、本件共犯者らの各供述調書について任意性があるとした原審の判断を正当であると認めた。弁護側が主張するような任意性を欠く事情は認められず、供述の自由が侵害された事実は確認できないと判断された。したがって、任意性を前提とした証拠採用の手続きに憲法違反の瑕疵はないと評価される。
結論
本件共犯者らの供述調書には任意性が認められるため、これらを証拠として採用した原判決は正当であり、憲法違反には当たらない。
事件番号: 昭和57(あ)1653 / 裁判年月日: 昭和58年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人らによる行為が正当防衛の要件を満たさず、かつ現行犯逮捕の手続にも違法な点がない場合、憲法31条、33条等の規定に違反するものではない。 第1 事案の概要:被告人ら9名が特定の所為(詳細は判決文からは不明)に及んだ事案。被告人らは、自らの行為が正当防衛に該当し違法性が阻却されること、及び捜査機…
実務上の射程
共犯者の自白の証拠能力(刑訴法319条1項)が争点となる場面で、任意性の判断枠組みを示す際に活用できる。判決文自体は簡潔であるが、実務上は取調べの態様や拘束時間などの具体的事実から任意性を肯定・否定する際の前提となる判例である。
事件番号: 昭和26(あ)4548 / 裁判年月日: 昭和28年5月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】共同被告人の公判外の供述調書は、被告人の自白に対する補強証拠となり得る。被告人の自白のみならず、同意のあった供述調書等に基づき有罪を認定することは、憲法上の自白排除法則に抵触しない。 第1 事案の概要:被告人の有罪認定につき、第一審において弁護人が証拠とすることに同意した共同被告人の供述調書が補強…
事件番号: 昭和58(あ)626 / 裁判年月日: 昭和59年11月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】警察官による脅迫や強制等の事実が認められない限り、供述調書の任意性は否定されず、その証拠能力を認めた判断は正当である。 第1 事案の概要:被告人は強盗殺人および放火の罪で起訴された。弁護側は、被告人が警察官から脅迫や強制を受けたことにより自白がなされたものであり、当該供述調書には任意性がない(憲法…
事件番号: 昭和23(れ)2048 / 裁判年月日: 昭和24年11月30日 / 結論: 棄却
一 原判決が證據に舉示した司法警察官の訊問調書及び檢事聴取書中の殺意についての未必の故意の自白は、被告人の供述に基かざる取調官の專恣の録取若は理詰めに因る強制に基く自白であつて、孰れも憲法第三八條第一項及び第二項及び刑訴應急措置法第一〇條第一項第二項に依り證據となし得ないものであると主張する。記録を精査するに被告人は第…