刑法二六条の三の規定と憲法一一条、一三条、三一条、三九条後段
憲法11条、憲法13条、憲法31条、憲法39条後、刑法26条の3
判旨
刑法26条の3に基づく保護観察の取消規定は、憲法11条、13条、31条、39条後段に違反せず合憲である。
問題の所在(論点)
刑法26条の3に基づく保護観察の取消しが、適正手続の保障(憲法31条)や二重処罰の禁止(同39条後段)等の憲法上の規定に違反し、違憲となるか。
規範
刑法26条の3所定の保護観察の取消規定は、判例の趣旨(最大決昭33.2.10等)に照らし、基本的人権の尊重(憲法11条)、個人の尊重(同13条)、適正手続(同31条)、及び二重処罰の禁止(同39条後段)のいずれにも違反しない。
重要事実
抗告人は、刑法26条の3の規定に基づき保護観察を取り消されたことに対し、同条が憲法11条、13条、31条、39条後段に違反する旨を主張して特別抗告を申し立てた。
あてはめ
最高裁は、先行する大法廷決定(昭和33年2月10日等)の趣旨を引用し、刑法26条の3の規定が憲法上の諸規定に違反しないことは既に明らかであると判断した。したがって、保護観察の遵守事項違反等に伴う取消しは、正当な刑事手続の枠内にあるものと解される。
事件番号: 昭和49(し)55 / 裁判年月日: 昭和49年6月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法26条の2第2号に基づく執行猶予の取消しは、憲法31条の罪刑法定主義や憲法39条後段の二重処罰の禁止には違反しない。 第1 事案の概要:被告人に対し、刑法26条の2第2号(猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その執行を猶予されたことが発覚したとき)に基づき、執行猶予の言…
結論
刑法26条の3は合憲であり、本件抗告は理由がないため棄却される。
実務上の射程
保護観察の取消しに関する合憲性を争う事案において、先行する大法廷判例を維持する形式的な確認として機能する。答案上は、執行猶予の取消しや保護観察制度の合憲性が問われた際、本決定が依拠する大法廷判例の結論を補強する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和56(し)113 / 裁判年月日: 昭和56年11月25日 / 結論: その他
一 刑の執行猶予言渡取消決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件において、裁判の執行を停止する場合には、原原決定を対象とすべきである。 二 高裁で言い渡された執行猶予の判決に対する上告申立期間の満了までに五日を残して、被告人の控訴取下により別件につき地裁で言い渡された懲役刑(実刑)の判決の確定したことが地方検察…
事件番号: 昭和56(し)56 / 裁判年月日: 昭和56年5月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】執行猶予取消決定に対する特別抗告の係属中に猶予期間が満了した場合であっても、決定告知時に期間が満了していなければ、決定の効力は失われず、抗告審は裁判を継続できる。 第1 事案の概要:本件において、原裁判所による執行猶予取消決定の告知が行われたのは昭和56年4月7日であり、この時点では執行猶予期間は…
事件番号: 昭和52(し)28 / 裁判年月日: 昭和52年4月13日 / 結論: 棄却
一 刑法二六条の二第二号が憲法三九条に違反しないことは、昭和四一年(し)第五九号同四二年三月八日大法廷決定(刑集二一巻二号四二三頁)の趣旨に照らして明らかである。(昭和四九年(し)第一一〇号同年一二月二日第二小法廷決定と同旨) 二 刑の執行猶予言渡取消手続の抗告審が口頭弁論を開くことなく非公開の裁判をしても憲法三一条に…
事件番号: 昭和46(し)25 / 裁判年月日: 昭和46年4月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】執行猶予者保護観察法5条1号にいう「善行」という文言は、刑法26条の2第2号の規定と相まって、その意義範囲が明確であるため、憲法31条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は執行猶予の言渡しを受け、その期間中、保護観察に付されていた。しかし、執行猶予者保護観察法5条1号に規定される「善行」を保持…