国税犯則取締法一五条が憲法三一条に違反するとの主張を刑訴法四〇八条により処理した事例
国税犯則取締法15条,憲法31条,刑訴法408条
判旨
国税犯則取締法15条による収税官吏の通告処分制度は、憲法31条の適正手続の保障に違反しない。
問題の所在(論点)
国税犯則取締法15条(通告処分)が、裁判によらずに行政官署が制裁を課す点において、憲法31条の定める適正手続の保障に違反するか。
規範
国税犯則取締法に基づく通告処分は、犯則の嫌疑が確実な場合に公訴に代えて一定の納付を命ずる行政処分であり、その性質上、直ちに刑罰を科すものではない。また、受領者が不服であればこれに応ぜず、公判手続において争う機会が担保されている以上、適正な手続を欠くものとはいえず、憲法31条に違反しない。
重要事実
上告人は、国税犯則取締法15条に基づく通告処分が行われたことについて、同条が憲法31条(適正な手続の保障)に違反する旨を主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、過去の判例(昭和39年11月25日大法廷判決)を引用し、通告処分の合憲性を肯定した。通告処分は、犯則者がその内容に承諾することを前提とする任意的な手続であり、通告に応じない場合には公訴の提起が予定されている。したがって、最終的な判断は裁判所に委ねられており、被告人の権利は刑事裁判手続において十分に保護されているといえる。
結論
国税犯則取締法15条は憲法31条に違反しないため、本件上告は棄却される。
実務上の射程
行政上の制裁的処分が刑事罰の前段階として機能する場合の合憲性判断において、裁判を受ける権利や適正手続の保障が代替的に確保されているかを判断する指標となる。答案上は、非司法的手続による制裁の合憲性が問われる際の引用判例として利用する。
事件番号: 昭和39(あ)1440 / 裁判年月日: 昭和40年4月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】間接国税犯則事件の通告処分において、犯則事実は具体的に示されていれば足り、物品名や日時等の詳細な明示は不要である。また、税額計算に僅少な誤差があっても、犯則事実の同一性に影響しない限り、公訴提起の訴訟条件は欠けない。 第1 事案の概要:間接国税犯則事件において、国税局長等が被告人に対し、罰金相当額…