甲会社代表者が甲会社の業務に関し、不正に物品税を逋脱せんがため乙会社の名義を形式的に利用して注文を受け、甲会社にその製造を課税最低限価格未満の価格または注文価格を著しく低下せしめた価格で請負わせて甲会社が乙会社にその製品を右価格で移出したように仮装し物品税を免れた場合には、物品税法第一八条第一項第二号の罪が成立する。
物品税逋脱罪が成立する事例。
物品税法18条1項2号,物品税法22条
判旨
国税犯則取締法に基づく通告処分において、対象となる事案の日時に多少の誤認があっても、その程度が通告処分の同一性を損なわない限り、処分の効力は妨げられず、告発の前提として有効である。
問題の所在(論点)
通告処分における対象事実の日時誤認が、処分の有効性および告発の成否、ひいては公訴時効の中断(国税犯則取締法15条)に影響を及ぼすか。
規範
国税犯則事件における税務署長の通告処分および告発において、対象事実の日時等に誤認があったとしても、証拠上その対象が実質的に特定されており、かつ誤認が処分の効力を左右しない程度の軽微なものである場合には、当該通告処分および告発は有効に成立し、公訴時効中断等の法的効果を生ずる。
重要事実
被告会社は物品税の逋脱により起訴された。起訴状記載の第二の事実(電通局向け食卓の移出)について、税務署長の通告書には「昭和25年6月3日から29日間の移出」と記載されていたが、実際の移出日は「同年5月30日」であった。弁護人は、通告処分および告発がなされていない事実について起訴されたものであり、公訴時効も中断していないと主張して上告した。
あてはめ
記録上の受註明細簿や売上帳等の証拠を総合すれば、通告書記載の「6月3日の移出」は、実際には「5月30日の移出」を誤認したものと認められる。このような程度の日時の誤認は、通告処分の対象となる犯則事実の同一性を失わせるものではなく、処分の効力を左右しない。したがって、当該事実について有効な通告処分および告発があったと認められ、通告書が被告人に配達された時点で公訴時効は有効に中断されている。
結論
本件通告処分および告発は有効であり、公訴時効中断の効力も生じている。したがって、公訴提起は適法であり、有罪判決は正当である。
実務上の射程
行政処分(通告処分)における事実摘示の正確性と、司法手続(起訴・告発)の前提としての有効性の関係を示す。実務上は、多少の記載ミスがあっても客観的な証拠から対象事実が特定可能であれば、処分の有効性は維持されるという「同一性」の判断基準として活用できる。
事件番号: 昭和39(あ)1440 / 裁判年月日: 昭和40年4月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】間接国税犯則事件の通告処分において、犯則事実は具体的に示されていれば足り、物品名や日時等の詳細な明示は不要である。また、税額計算に僅少な誤差があっても、犯則事実の同一性に影響しない限り、公訴提起の訴訟条件は欠けない。 第1 事案の概要:間接国税犯則事件において、国税局長等が被告人に対し、罰金相当額…