物品税を逋脱しようと企て、課税物品を販売移出したにかかわらず、帳簿に記載せず或は単価または数量を過少に記載する等して虚偽の申告書を提出する所為は、物品税法第一八条第一項第二号の罪にあたる 控訴審が事実の取調をなし、破棄自判するような場合には、検察官の請求により、公訴事実の同一性を害しない限度において、訴因の変更を許すべきものである
物品税法第一八条第一項第二号の罪が成立する事例 控訴審において訴因変更が許される事例。
物品税法18条1項2号,刑訴法404条,刑訴法312条,刑訴法400条,刑訴法393条
判旨
控訴審において事実の取調を行い破棄自判する場合、検察官の請求により公訴事実の同一性を害しない限度で訴因の変更を許容することができる。本判決は、刑事訴訟法上、控訴審における訴因変更の許容性を明確に示したものである。
問題の所在(論点)
控訴審における訴因変更の可否。特に、控訴審が事実の取調を行い破棄自判を検討する過程で、公訴事実の同一性を害しない範囲での訴因変更請求を認めることができるか。
規範
控訴審において、裁判所が事実の取調をなし、第一審判決を破棄して自ら判決(破棄自判)を行う場合には、検察官の請求により、公訴事実の同一性を害しない限度において、刑事訴訟法312条に基づく訴因の変更を許すべきである。
重要事実
被告人は物品税法違反(物品税の逋脱等)で起訴された。第一審判決後、控訴審において事実の取調が行われた際、検察官が訴因変更を請求し、原審(控訴審)はこれを認めた上で破棄自判を行った。これに対し、弁護人が控訴審における訴因変更は判例違反であるとして上告した事案である。
あてはめ
最高裁は、先行する昭和29年9月30日の決定を引用し、控訴審であっても事実の取調を行い自ら事案の解決を図る(破棄自判する)場面においては、一審と同様に訴因変更の必要性が生じ得ると判断した。本件においても、公訴事実の同一性を害しない限度での変更である限り、検察官の請求に基づきこれを許容することは適法であるとされる。
結論
控訴審における訴因変更は、公訴事実の同一性を害しない限度において適法に認められる。したがって、原審の措置に判例違反は認められず、本件上告は棄却される。
実務上の射程
控訴審が続審的性格を併せ持つことを前提に、事実の取調を行う場合には訴因変更が可能であることを示した重要判例である。答案上では、控訴審の構造(事後審か続審か)に関する議論と併せて、迅速かつ適正な裁判の実現のために訴因変更を肯定する論拠として引用する。
事件番号: 昭和28(あ)2653 / 裁判年月日: 昭和30年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴裁判所が量刑不当を理由に第1審判決を破棄し自判する場合、第1審判決が確定した事実に対して法令を適用すれば足り、控訴審において改めて事実を認定する必要はない。 第1 事案の概要:被告人は第1審において懲役刑および罰金刑の併科を言い渡された。これに対し、弁護人は「罰金を併科したことは刑の量定が重き…