少年法上の保護処分決定に対する上訴権回復請求棄却決定及び抗告棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対する特別抗告事件において刑訴法の特別抗告に関する規定(刑訴法433条、434条、426条1項)を類推適用して処理した事例
少年法32条,少年法33条,少年法35条,刑訴法362条,刑訴法363条,刑訴法364条,刑訴法433条,刑訴法434条,刑訴法426条1項
判旨
刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、単なる法令違反、事実誤認、または処分の不当を理由とする主張は、同条が定める抗告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法433条の特別抗告において、単なる法令違反、事実誤認、処分不当の主張が、同条に規定された適法な抗告理由として認められるか。
規範
刑事訴訟法433条1項の特別抗告において認められる抗告理由は、憲法違反または憲法解釈の誤り、あるいは最高裁判所の判例(これがない場合には大審院または上訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断をしたことに限定される。したがって、単なる法令違反、事実誤認、または処分の不当を理由とする不服申し立ては、適法な抗告理由を構成しない。
重要事実
抗告人は、原決定に対し、法令違反、事実誤認、および処分の不当を主張して刑事訴訟法433条に基づく特別抗告を提起した。
あてはめ
本件における抗告人の主張は、憲法違反や判例抵触を指摘するものではなく、単なる法令違反、事実誤認、および処分の不当を主張するものである。これらは刑事訴訟法433条が限定的に規定している抗告理由のいずれにも該当しないため、不適法な申し立てであると解される。
事件番号: 昭和30(し)9 / 裁判年月日: 昭和30年12月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として違憲を主張していても、その実質が単なる訴訟法違反の主張にすぎない場合は、特別抗告の適法な理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告申立人Aが、自己または代人の責めに帰することができない事由によって上訴期間内に上訴できなかったと主張し、憲法違反を理由に特別抗告を申し立てた事案で…
結論
本件各抗告は、刑事訴訟法433条所定の抗告理由に当たらないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
本決定は、特別抗告の理由が憲法違反と判例抵触に極めて限定されていることを再確認するものである。司法試験の答案作成においては、刑事訴訟法上の不服申立て、特に特別抗告の要件を検討する際、単なる実体法・手続法上の誤りでは足りないことを論証する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和32(し)49 / 裁判年月日: 昭和32年10月23日 / 結論: 棄却
再審請求人が裁判所の求意見に対し現実に意見書を提出した場合のみならず、裁判所が再審を請求した者に対し意見を求め、且つその意見の申述につき相当期間をおいたにも拘らず、請求人から遂に意見を申述しなかつた場合も、刑訴規則二八六条にいう意見を聴いた場合に該る。
事件番号: 平成3(し)43 / 裁判年月日: 平成3年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張して特別抗告がなされた場合であっても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎないときは、刑事訴訟法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し憲法11条、31条、32条違反を主張して特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には法令の…
事件番号: 昭和62(し)51 / 裁判年月日: 昭和62年6月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権回復請求及び特別抗告の申立てを棄却した決定に対し、刑事訴訟法433条に基づく特別抗告を行うことは、即時抗告という他の不服申立手段が存在するため認められない。 第1 事案の概要:申立人は、上訴権回復の請求およびこれと同時に特別抗告の申立てを行ったが、地方裁判所はいずれも棄却した。申立人はこの地…
事件番号: 昭和29(し)43 / 裁判年月日: 昭和29年9月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への特別抗告において、抗告理由を単に抽象的に述べるにとどまり、具体的理由を明示しない申立ては、刑事訴訟法405条所定の事由があるとはいえず不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対して最高裁判所に特別抗告を申し立てた。その際、申立書において「刑訴法405条に規定する理由がある…