第一審のした対審非公開の措置についての違憲主張が欠前提とされた事例
憲法82条
判旨
裁判の対審を非公開とする措置が憲法82条2項但書に該当する場合、当該措置は違憲とはならず、第一審の判断に正当な理由がある限り適法である。
問題の所在(論点)
第一審が行った対審の非公開措置が、憲法82条が定める裁判の公開原則に違反し、同条2項但書による例外の許容範囲を超えるか否か。
規範
憲法82条1項により裁判の対審は公開が原則であるが、同条2項但書に基づき、裁判官の全員一致により公の秩序または善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、非公開とすることができる。ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪、または憲法第3章で保障する国民の権利が問題となる事件については、常に公開しなければならない。
重要事実
被告人の第一審において、裁判所が対審を非公開とする措置を講じた。これに対し、弁護人は当該措置が裁判の公開原則に反し違憲であると主張して上告した。なお、本件の具体的な罪名や事件の詳細は提供された判決文からは不明である。
あてはめ
本件は、憲法82条2項但書により「常に対審を公開しなければならない」とされる政治犯罪、出版に関する犯罪、または憲法第3章の権利に関連する事件のいずれにも当たらないことが明らかである。また、第一審において対審を非公開とする理由があるとされた判断は、同項の趣旨に照らして正当であると認められる。
結論
本件の非公開措置は憲法82条に違反せず、上告は棄却される。
実務上の射程
裁判の公開原則の例外(憲法82条2項但書)の適用限界を示す事例である。答案上は、非公開措置の適法性を論じる際、まず原則(1項)を述べた上で、2項但書の除外事由(政治犯罪等)に該当しないこと、および「公の秩序・善俗」保護の必要性(裁判官の全員一致)を検討する枠組みとして活用できる。
事件番号: 平成16(あ)1618 / 裁判年月日: 平成17年4月14日 / 結論: 棄却
刑訴法157条の3,157条の4は,憲法82条1項,37条1項,2項前段に違反しない。