犯罪の被害者またはその法定代理人の検察官または司法警察員に対する「供述調書」であつても、右被害者らが検察官または司法警察員に対し犯罪事実を申告し犯人の処罰を求める旨の意思表示を録取したものであれば刑訴第二四一条第二項の告訴調書として有効である。
供述調書の告訴調書としての効力。
刑訴法223条,刑訴法241条
判旨
刑事訴訟法405条に規定される上告理由に当たらない主張のみがなされた場合、特段の事情がない限り、上告は棄却される。原判決が正当である場合には、職権破棄の事由を定めた刑訴法411条の適用も認められない。
問題の所在(論点)
弁護人が主張する「単なる訴訟法違反」および「量刑不当」は、刑事訴訟法405条の上告理由に該当するか。また、本件において刑訴法411条1号(法令違反)または2号(刑の不当)を適用して職権で原判決を破棄すべき事情があるか。
規範
最高裁判所に対する上告は、刑事訴訟法405条各号に掲げる理由(憲法違反、判例違反等)がある場合に限られる。これら法定の上告理由に該当しない訴訟法違反や量刑不当の主張は適法な上告理由とはならない。また、刑訴法411条に基づく職権による判決破棄は、判決に影響を及ぼすべき法令の違反、刑の量定の甚だしい不当、重大な事実誤認など、著しく正義に反すると認められる場合にのみ許容される。
重要事実
被告人の弁護人が、第一審および控訴審の判決に対し、上告を提起した事案である。弁護人が主張した上告理由は、第一点として単なる訴訟法違反、第二点として量刑不当の主張であった。原判決の内容が妥当であるか、また最高裁判所が職権で介入すべき特段の事情があるかが問われた。
あてはめ
弁護人の第一の主張は単なる訴訟法違反であり、第二の主張は量刑不当にすぎない。これらはいずれも、憲法違反や判例違反を定めた刑訴法405条のいずれの事由にも該当しない。さらに、原判決の判示内容を検討するに、その判断は正当であると認められる。したがって、職権破棄を認めた刑訴法411条1号および2号を適用すべき著しい不当性や重大な誤りも存在しないといえる。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、刑訴法414条および386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
司法試験においては、上告審の構造(事後審・法律審)を理解する上での基礎となる。特に刑訴法405条の限定的な上告理由と、411条の職権破棄事由の区別を論じる際の前提として機能するが、本判決自体は極めて簡潔な決定であるため、具体的なあてはめの手法というよりは、制度運用の原則を示すものとして位置づけられる。
事件番号: 昭和25(あ)1914 / 裁判年月日: 昭和26年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当を主張する上告理由は、刑事訴訟法405条に定める上告理由には該当せず、また職権で破棄すべき著しい不当も認められない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人の弁護人は、原審判決が科した刑罰が重すぎるとして量刑不当を理由に上告を申し立てた。なお、被告人がどのような罪種で起訴…