いわゆる10・20成田事件
判旨
集団的な実力行使が正当な抵抗権の行使として憲法上保障されるかは、その行為の手段、方法、規模、態様を総合考慮して決せられるべきであり、違法性が阻却されない態様での行為は憲法違反を構成しない。
問題の所在(論点)
集団的な実力行使を伴う行為が、抵抗権等の行使として憲法上保障され、刑法上の違法性が阻却されるための要件および判断枠組み。
規範
特定の行為が正当な抵抗権の行使等として憲法上保障され、違法性が阻却されるか否かは、当該行為の具体的な「手段、方法、規模、態様」を総合的に考慮し、社会通念上許容される範囲内にあるかによって判断される。
重要事実
被告人らは、凶器準備結集等の罪に問われた事案において、自らの行為は憲法上の抵抗権等に基づく正当な行為であり、違法性が阻却されるべきであると主張して上告した。第一審判決は、被告人らが行った実力行使の具体的な手段や態様に鑑み、違法性は阻却されないと判断していた。
あてはめ
本件における被告人らの行為は、第一審が認定した具体的な「手段、方法、規模、態様」に照らせば、正当な範囲を逸脱していると解される。したがって、当該行為について違法性が阻却されるものではないとした原判断は是認でき、憲法違反の主張は前提を欠く。具体的な事実関係の詳細は判決文からは不明であるが、認定された態様の違法性が高いことを理由に正当性を否定している。
結論
被告人らの行為は、その手段・態様に照らし違法性が阻却されないため、抵抗権の行使を理由とする憲法違反の主張は認められず、上告は棄却される。
事件番号: 昭和57(あ)1653 / 裁判年月日: 昭和58年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人らによる行為が正当防衛の要件を満たさず、かつ現行犯逮捕の手続にも違法な点がない場合、憲法31条、33条等の規定に違反するものではない。 第1 事案の概要:被告人ら9名が特定の所為(詳細は判決文からは不明)に及んだ事案。被告人らは、自らの行為が正当防衛に該当し違法性が阻却されること、及び捜査機…
実務上の射程
抵抗権や表現の自由の行使を主張する事案において、行為の具体的態様(手段・方法・規模)を総合考慮して違法性阻却の成否を判断する実務上の枠組みを示している。司法試験では、正当行為(刑法35条)や表現の自由の限界を論じる際の「手段の相当性」に関するあてはめの指針として活用できる。
事件番号: 昭和55(あ)1181 / 裁判年月日: 昭和56年3月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】火炎びんの使用等の処罰に関する法律(火炎びん処罰法)は、規制対象行為の危険性に照らし立法根拠が認められ、差別的立法ではなく、構成要件も明確であるため、憲法13条、14条、19条、21条1項、31条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人らは、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反等で起訴された。こ…
事件番号: 昭和61(あ)42 / 裁判年月日: 平成元年3月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】社会運動の一環として行われた行為であっても、その手段、方法、規模、態様が社会通念上相当な範囲を逸脱する場合には、正当な行為として違法性が阻却されることはない。 第1 事案の概要:被告人らは、自らの主張を実現するための社会運動等に関連して、一定の手段、方法を用いて特定の行為(詳細な行為態様は判決文か…
事件番号: 昭和56(あ)929 / 裁判年月日: 昭和59年11月30日 / 結論: 棄却
一 刑訴法一九条により移送を受けた被告事件について、当初土地管轄のあることが明らかでなかつたとしても、その後管轄違の申立がされるまでの間に土地管轄が備わるに至つた場合には(判文参照)、土地管轄についての瑕疵は治癒される。 二 刑訴法六条による関連事件の管轄が認められるためには、いわゆる固有管轄事件及びその関連事件が共に…
事件番号: 平成4(あ)1070 / 裁判年月日: 平成8年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法405条2号および3号に規定される「判例」に地方裁判所の判決は含まれず、これに反することを理由とする上告は認められない。 第1 事案の概要:被告人A、B、Cおよびその弁護人は、下級審の有罪判決に対し、憲法違反、事実誤認、法令違反に加え、地方裁判所の判決例との相反を理由に判例違反を主張して…