会社代表者でない者が申立てた上告が不適法とされた事例
刑訴法385条
判旨
被告人である会社の代表取締役を辞任した者は、辞任後に被告人会社を代表して上告を申し立てる権限を有しないため、当該上告は不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
代表取締役を辞任し、後任の登記がなされた後の旧代表取締役が行った被告人会社のための上告申立ては、適法な訴訟行為といえるか。
規範
法人である被告人の訴訟行為は、その代表者がこれを行う(刑事訴訟法27条1項参照)。上告申立て等の訴訟手続を有効に行うためには、申立て時点において適法な代表権限を有していることが必要である。
重要事実
被告人会社(旧商号:株式会社A)の代表取締役であったBは、本件上告申立書を提出した。しかし、上告申立て当時、Bは既に代表取締役を辞任しており、その後任としてCが代表取締役に就任し、その旨の登記も完了していた。
あてはめ
本件において、上告申立人として署名されたBは、申立て当時すでに代表取締役を辞任しており、登記簿上も後任のCが代表権を有していることが明らかである。したがって、Bには被告人会社を代表して上告を申し立てる資格(代表権)が認められない。代表権のない者によってなされた訴訟行為は、適法な要件を欠く不適法なものと判断される。
結論
本件上告申立ては代表権のない者によってなされた不適法なものであるため、刑訴法414条、385条1項に基づき棄却される。
実務上の射程
法人の代表権の有無は、行為時の現況(登記等)により厳格に判断される。答案上では、法人の訴訟能力や代理権・代表権が争点となる際、行為時点での資格具備を検討するための基礎的な根拠として用いることができる。
事件番号: 昭和26(れ)972 / 裁判年月日: 昭和26年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決文が極めて簡潔であり、具体的な事実関係や判示事項が含まれていないため、実質的な判断内容は不明であるが、刑訴法405条の上告理由に該当せず、同411条による職権破棄の必要もないとして上告を棄却した。 第1 事案の概要:被告人Aが上告を申し立てたが、その具体的な事案の内容や罪名、争点となった事実は…
事件番号: 昭和33(あ)2254 / 裁判年月日: 昭和34年4月9日 / 結論: 棄却
米国人某から、同人方で、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法当の臨時特例に関する法律第六条、第七条の適用を受けた関税および物品税の免除物品たる米国製テレビジヨン等を、所轄税関の許可を受けないで、秘かに譲り受け、関税および物品税の賦課決定を不能または著しく困難ならしめた場合には…