訴訟費用執行免除申立権の回復請求の適否
刑訴法362条,刑訴法500条
判旨
訴訟費用執行免除の申立権回復請求は、法令上の規定を欠き、上訴権回復規定の準用も認められないため不適法であり、期間経過後の免除申立て自体も不適法である。
問題の所在(論点)
1. 訴訟費用執行免除の申立期間を徒過した場合に、上訴権回復の規定を準用して申立権を回復させることが認められるか。 2. 法定の申立期間経過後になされた訴訟費用執行免除申立ての適否。
規範
1. 訴訟費用執行免除申立権の回復請求については、これを認める明文の規定が存在せず、かつ上訴権回復に関する規定(刑訴法362条以下)を準用することもできない。 2. 訴訟費用執行免除の申立て(同法500条1項)は、裁判が確定した後20日以内(同条2項)に行わなければならない。
重要事実
申立人は、既に裁判が確定し、刑事訴訟法500条2項に定める「裁判が確定した後20日以内」という期間を経過した後に、訴訟費用執行免除の申立てを行うとともに、当該申立権の回復(上訴権回復に類する手続き)を請求した。
あてはめ
1. 申立権回復請求について:刑事訴訟法上、訴訟費用執行免除申立権の回復を認める規定はなく、性質の異なる上訴権回復規定の準用も認められない。したがって、申立権の回復を求める本件請求は法律上の根拠を欠き不適法である。 2. 免除申立てについて:本件申立ては、刑訴法500条2項の定める20日の期間を経過した後に提出されており、申立期間を徒過しているといえる。申立権の回復も認められない以上、本件申立て自体も不適法となる。
事件番号: 昭和54(せ)65 / 裁判年月日: 昭和54年6月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟費用の執行免除の申立ては、刑事訴訟法500条2項所定の期間内になされる必要があり、かつ、弁護人が代理して申し立てる場合には、被告人からの申立ての委任を要する。 第1 事案の概要:偽造有価証券行使被告事件の被告人に対し、第一審および原審において訴訟費用負担の裁判がなされた。これに対し、弁護人であ…
結論
本件訴訟費用執行免除申立権の回復請求及び訴訟費用執行免除の申立ては、いずれも不適法として棄却される。
実務上の射程
刑事執行手続における期間制限の厳格性を示す。判例は上訴権回復(362条)のような例外規定を、他の申立権(執行免除等)に類推適用することを否定しており、答案作成上は刑事訴訟手続の法的安定性と明文規定の重視を強調する際に参照すべきである。
事件番号: 昭和54(す)113 / 裁判年月日: 昭和54年7月2日 / 結論: 棄却
訴訟費用執行免除申立権の回復請求は不適法である。
事件番号: 昭和36(す)239 / 裁判年月日: 昭和36年7月13日 / 結論: 棄却
訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行免除の申立期間経過後の申立権回復請求は不適法である。
事件番号: 昭和29(す)145 / 裁判年月日: 昭和29年5月25日 / 結論: 棄却
申立人主張のような事由(訴訟費用負担の執行免除の申立を刑務官吏によつて妨げられた旨の主張)は、前記訴訟費用の負担を命ずる裁判について検察官のした執行に関する処分を不当とすべき根拠にはならないから、本件申立は理由がないものとして棄却すべきである。
事件番号: 平成4(す)14 / 裁判年月日: 平成4年2月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立期間を調査している間に期間が経過したことは、申立人又は代人の責に帰することができない事由には当たらないため、上訴権等の回復請求は認められない。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立てを行うにあたり、その申立期間について調査を行っていた。しかし、その調査に時間を要している間に、法定の異議申立…