犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律3条1項に基づき訴訟記録を謄写させる措置に対する抗告の許否(消極)
犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律3条1項
判旨
刑事手続付随措置法3条1項に基づく被害者傍聴優先措置に関する決定に対し、刑事訴訟法上の抗告をすることは認められない。
問題の所在(論点)
刑事手続付随措置法3条1項に基づく裁判所の措置(被害者等の傍聴への配慮)に対し、刑事訴訟法419条等に基づく抗告が認められるか。
規範
刑事手続付随措置法に基づく被害者の傍聴に関する措置は、裁判所が裁判権の行使に付随して行う訴訟指揮の一環であり、これに対する不服申立てについては同法または刑事訴訟法に特段の定めがない限り、独立の抗告の対象とはならない。
重要事実
東京地方裁判所が「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」3条1項に基づき、特定の者に対して傍聴の優先的な配慮等を行う措置(本件措置)を決定した。これに対し、不服を有する者が抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
本件措置は刑事手続付随措置法に基づき、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るために行われるものである。原決定は、当該措置に対する抗告を不適法と判断したが、最高裁もこの結論を是認した。刑事訴訟法434条、426条1項を適用し、当該抗告を不適法として棄却すべきである。憲法違反の主張についても、不服申立ての適法性を前提とするものである以上、前提を欠くといえる。
事件番号: 昭和56(し)80 / 裁判年月日: 昭和56年6月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件の記録の一部に対する閲覧・謄写許可決定は、訴訟手続に関し判決前にした決定に準ずるものとして、刑事訴訟法433条に基づく特別抗告をすることは許されない。 第1 事案の概要:付審判請求事件において、原裁判所が請求人代理人の一人に対し、事件記録の一部(検察官作成の意見書別紙)を閲覧・謄写さ…
結論
本件措置に対する抗告は不適法であり、これを却下または棄却すべきである。
実務上の射程
被害者保護のための訴訟指揮的措置に関する不服申立ての可否を判断した事例。答案上は、刑事訴訟法上の「裁判」に対する抗告の可否を論じる際、特別法に基づく付随的措置が独立の抗告対象から除外される根拠として参照し得る。
事件番号: 昭和56(し)77 / 裁判年月日: 昭和56年6月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件の記録の一部を閲覧・謄写させる旨の決定は、訴訟手続に関し判決前にした決定に準ずるものとして、刑事訴訟法433条の特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:申立人らに対する付審判請求事件において、原裁判所は請求人代理人のうち1名に対し、事件記録の一部(検察官作成の意見書の別紙)を…
事件番号: 昭和46(し)61 / 裁判年月日: 昭和46年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所による証拠調請求却下決定や、裁判長による被告人への質問処分などは、刑訴法433条1項に規定される「この法律により不服を申し立てることができない決定又は命令」には該当せず、特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:傷害被告事件の控訴審において、東京高等裁判所が申立人の証拠調請求を却下する…
事件番号: 昭和56(し)124 / 裁判年月日: 昭和56年10月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】検察官の手持証拠に対する証拠開示命令を認めない決定は、判決前の訴訟手続に関する決定であり、刑事訴訟法433条1項に規定する「この法律により不服を申し立てることができない決定」には該当しないため、特別抗告の対象とならない。 第1 事案の概要:検察官が手持証拠について開示命令を発しないよう求め、裁判所…
事件番号: 平成16(し)314 / 裁判年月日: 平成16年11月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】児童福祉法に基づく強制的措置許可決定に対し、特別抗告を申し立てることはできない。 第1 事案の概要:家庭裁判所が、児童福祉法に基づき児童相談所長等による強制的措置(入所措置等)を許可する決定を行った。これに対し、不服がある当事者が最高裁判所に対して特別抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):…