観護措置決定が事後に取り消されたことを理由としてこれに対する特別抗告が不適法とされた事例 観護措置決定に対する特別抗告を棄却する場合に刑訴法434条、426条1項を適用しなかった処理例
少年法17条1項,刑訴法433条,刑訴法434条
判旨
観護措置決定に対する抗告中に当該決定が取り消された場合、不服申立ての利益は失われるため、抗告は棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
不服申立ての対象である原決定が既に取り消された場合において、当該不服申立て(抗告)を継続する利益が認められるか。
規範
不服申立ての対象となっている裁判や処分が、上訴審の判断より前に取り消された場合、その申立ての可否を論ずるまでもなく、原則として不服申立ての利益(訴えの利益)は消滅する。
重要事実
本件は観護措置決定に対する抗告事件である。最高裁判所での審理中に、職権調査の結果、抗告の対象となっていた本件観護措置決定が、平成10年2月6日をもって既に取り消されていたことが判明した。
あてはめ
本件観護措置決定は既に平成10年2月6日に取り消されている。これにより、抗告によって取り消しを求めていた対象が既に存在しない状態となっており、抗告によって得られるべき法的利益が失われているといえる。したがって、本件抗告は不適法なものとなる。
事件番号: 平成24(し)506 / 裁判年月日: 平成24年10月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】観護措置更新決定による収容期間が既に満了している場合、当該決定の効力を争う特別抗告の申立ては、訴えの利益(抗告の利益)を失い不適法となる。 第1 事案の概要:本件は、観護措置更新決定に対する異議申立てを棄却した決定に対し、特別抗告がなされた事案である。記録によれば、当該更新決定に基づく収容期間は平…
結論
本件抗告は利益を失ったものとして棄却される。
実務上の射程
手続上の「不服申立ての利益」に関する判断である。少年法や刑事訴訟法における身体拘束等の手続において、処分の解消後に実体的な憲法判断や違法確認を求める特別な必要性がない限り、訴えの利益は否定されるという実務上の原則を示すものである。
事件番号: 昭和44(し)20 / 裁判年月日: 昭和44年4月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留状により勾留されていた被疑者が釈放された場合には、勾留の取消し等を求める不服申立ての利益が消滅するため、裁判所は原決定を取り消す実益がないものとして抗告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:申立人は、昭和44年1月27日に簡易裁判所の裁判官が発した勾留状に基づき勾留されていた。しかし、その後…
事件番号: 昭和49(し)45 / 裁判年月日: 昭和49年5月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留処分に対する不服申立てにおいて、当該勾留の期間が既に経過している場合には、処分の効力を争う利益が失われるため、申立ては不適法(理由がない)となる。 第1 事案の概要:検察官による勾留処分がなされたが、特別抗告の審理時点において、当該勾留処分の対象となっていた期間(昭和49年4月24日まで)は既…
事件番号: 昭和27(し)80 / 裁判年月日: 昭和32年2月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被疑者が既に釈放されている場合、検察官が行った接見日時指定処分の取消しを求める準抗告等の請求は、もはやその利益を失い、不適法となる。 第1 事案の概要:申立人(弁護人)は、区検察庁副検事が被疑者Aとの接見について行った日時指定処分の取消しを求めていた。しかし、特別抗告の審理段階において、被疑者Aは…
事件番号: 平成6(し)170 / 裁判年月日: 平成6年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留に代わる観護措置がとられた事件が家庭裁判所に送致された場合、当該措置の取消しを求める不服申立ては、もはや法律上の利益を欠き不適法となる。 第1 事案の概要:申立人に対し勾留に代わる観護措置が執られた。簡易裁判所は取消決定をしたが、準抗告審がこれを取り消し、取消請求を却下した。申立人がこの準抗告…