村長選挙の期日告示の取消を求める訴はゆるされない。
村長選挙の期日告示の取消を求める訴の適否
公職選挙法117条,行政事件訴訟特例法1条
判旨
選挙期日の告示は、選挙手続の一連の過程を構成するものであり、公職選挙法上の選挙争訟の枠組み外で独立して取消訴訟の対象とすることはできない。
問題の所在(論点)
選挙期日の告示が、公職選挙法に規定された選挙争訟の枠組みとは別に、独立して民衆訴訟(取消訴訟)の対象となるか。また、民衆訴訟の提起には法律の根拠が必要か。
規範
民衆訴訟は、具体的な権利義務の争いではなく法規の適正な維持を目的とする訴訟であるため、法律の規定がある場合に限り提起し得る。選挙に関する争訟は、公職選挙法が定める一連の手続(選挙の効力等に関する争訟)の中で争うべきであり、特段の規定がない限り、個別の手続過程を独立した争訟の対象とすることは許されない。
重要事実
村の住民かつ選挙民である上告人が、地方公共団体の長の選挙に関する選挙期日の告示について、法規の適用が不当であるとして、その取消しを求めて民衆訴訟を提起した事案。公職選挙法には選挙期日の告示を独立して争う規定は存在しなかった。
あてはめ
本件訴訟は住民が選挙民の資格で提起した民衆訴訟であるが、民衆訴訟は法律の規定がある場合に限り提起可能である。公職選挙法は選挙の効力に関する異議申立て等の規定を置くのみで、選挙期日の告示を独立して争う規定は設けていない。選挙期日の告示の違法は、事後的に選挙争訟の原因として主張することが可能であり、独立の対象としなくても不都合はない。したがって、告示を独立の争訟対象とすることは法の予定しないところである。
結論
本件訴訟は不適法であり、却下を免れない。選挙期日の告示を独立した争訟の対象とすることは法律上許されない。
実務上の射程
行政事件訴訟法5条に規定される民衆訴訟の「法律に定める場合」の要件(同法7条、42条等)を確認する際の基本判例となる。また、選挙手続中の個別行為について、特段の規定がない限り、独立した行政処分性を否定し一連の選挙争訟に解消させる考え方を示す。
事件番号: 昭和25(オ)416 / 裁判年月日: 昭和28年2月18日 / 結論: 棄却
自作農創設特別措置法による農地買収処分については、民法第一七七条は適用がない。少数意見および補足意見がある。