地方公共団体の議会の会議中、議場が騒然として議長が整理することが困難な場合は、議員中に閉議に異議がある者があつても、議長は職権で閉議することができる。
地方公共団体の議会会議中議員中閉議に異議がある場合の議長の職権による閉議の適否
地方自治法114条2項,地方自治法129条2項
判旨
地方議会の議長による閉議宣言が有効になされた場合、その後に議員らによって強行された議決は、会議の適法な継続を欠くため無効である。
問題の所在(論点)
議長の閉議宣言が有効になされた場合において、その宣言後に行われた議決の効力が認められるか、および閉議宣言自体の有効性が問題となる。
規範
地方議会の運営において、議長が会議規則等の権限に基づき適法に閉議(散会)を宣言した場合には、その時点で当該日の会議は終了する。閉議宣言後に一部の議員によって行われた議決は、適法な会議の手続に基づかないものとして、その法的効力を否定せざるを得ない。
重要事実
昭和31年3月7日、六郷町議会において議長が職権により閉議を宣言した。しかし、その後、一部の議員らによって議決が強行された。上告人は、当該会議は開会宣言がなくそもそも会議が存在しなかった、あるいは議長の閉議宣言は無効であり、その後の議決こそが有効であると主張して争った。
あてはめ
原審において、当日会議が開かれた事実は当事者間に争いがないものとして確定している。また、町議会会議規則39条の適用に基づき、議長の閉議宣言は有効になされたと認められる。適法に閉議が宣言された以上、その後の議決は会議が終了した後の行為にすぎず、議事運営上の正当性を欠く。したがって、当該閉議は有効であり、その後に行われた議決は無効と解される。
結論
本件閉議は有効であり、閉議宣言後に行われた議決は無効である。
実務上の射程
地方議会の自律的運営に関わる判断であり、議事運営権限(議事整理権)の行使の有効性と、その後の議事手続の効力を判断する際の準拠となる。答案上は、議長による散会宣言等の手続的瑕疵が議決の効力に及ぼす影響を論じる際に参照すべきである。
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