一村内の部落が、財産を有せず、且つ営造物を設けていないときは、民訴四五条の当事者能力を有しない。
一村内の部落の当事者能力
民訴法45条,地方自治法1条の2,地方自治法2条,地方自治法294条
判旨
村内の部落は、現に財産を有し又は営造物を設けている場合に限り財産区として法人格を認められるため、これらを満たさない部落は訴訟の当事者能力を有しない。
問題の所在(論点)
地方自治法上の部落が、民事訴訟における当事者能力(法人格)を認められるための要件、および訴訟要件の審査において実体法上の権利関係を判断することの是非が問題となった。
規範
村内の部落(権利能力なき社団)が訴訟の当事者能力(民事訴訟法旧45条、現29条)を有するためには、地方自治法上の財産区として法人格を認められる必要がある。具体的には、当該部落が現に財産を所有しているか、または営造物を設けていることが要件となる。
重要事実
上告人は、被上告人である部落に対し、本件不動産の売買等に関連して訴えを提起した。しかし、第一審および第二審において、被上告部落は本件不動産を所有しておらず、その他に現に財産を有し、または営造物を設けている事実を認めるべき資料も存在しなかった。そのため、下級審は被上告人が当事者能力を欠くと判断し、訴えを却下した。上告人は、本案に関する認定が含まれていること等を不服として上告した。
事件番号: 昭和30(オ)648 / 裁判年月日: 昭和32年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】表見代理の成立要件である「正当の理由」の有無は、事実認定の問題であり、原審が証拠に基づいてこれを否定した判断は違法ではない。 第1 事案の概要:上告人の代理人Dが、訴外Eに被上告人を代理して本件土地を売却する権限があるものと信じて取引を行った。上告人は、Dがそのように信じたことについて「正当の理由…
あてはめ
被上告部落は、上告人が主張する売買当時において本件不動産を所有しておらず、かつ、他に財産を保有したり営造物を設置・運営したりしている事実も認められない。したがって、地方自治法上の財産区としての実体を備えているとはいえず、法人格を付与する根拠がない。また、原審が不動産の所有関係について判断したのは、当事者能力という訴訟要件の有無を審査するために不可欠な事実の確認であり、本案判決を下したものではないため、審理手続に違法はない。
結論
被上告部落は法人格を有せず、訴訟の当事者能力を欠く。したがって、訴えを却下した原判決は正当である。
実務上の射程
部落や町内会等の権利能力なき社団が当事者となる場合、民訴法29条の「代表者の定め」に加えて、実体法上の法人格(財産区としての性質等)の有無が当事者能力の分水嶺となることを示した。訴訟要件の存否を判断するために実体権利の帰属に踏み込んで認定することは許容される点も重要である。
事件番号: 昭和50(オ)702 / 裁判年月日: 昭和55年2月8日 / 結論: 棄却
権利能力なき社団の複数の代表者の各々が構成員の総有に属する不動産について構成員から信託的に管理権限を与えられている場合であつても、その不動産が右社団にとつて重要な資産であり、代表者全員の共有名義とされているなど、判示の事情があるときには、各代表者は、代表者全員の合意に基づくのでなければ、右管理権限に基づき右不動産につき…
事件番号: 昭和30(オ)950 / 裁判年月日: 昭和32年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】登記の抹消手続請求が適法に認められるためには、請求主体が当該不動産について抹消登記請求権を有している必要があり、自己の権利を何ら主張しない者による請求は不適法として排斥される。 第1 事案の概要:上告人Aは、被上告人名義の所有権移転登記について、売買が無効であることを理由にその抹消登記手続を求めて…
事件番号: 昭和34(オ)650 / 裁判年月日: 昭和41年11月25日 / 結論: その他
入会権確認の訴は、入会権が共有の性質を有するかどうかを問わず、入会権者全員で提起することを要する固有必要的共同訴訟である。
事件番号: 昭和30(オ)441 / 裁判年月日: 昭和32年3月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産売買の表見代理(民法110条等)において、相手方が本人に直接確認せず、委任状等の提示を求めなかったとしても、諸般の事情により代理権があると信じるにつき正当な理由が認められる場合がある。 第1 事案の概要:上告人(本人)所有の本件土地家屋につき、Dが上告人の代理人と称して被上告人(相手方)との…