公職選挙法第九〇条(昭和二九年一二月法律第二〇七号による改正前)の「申出の日以後五日に相当する日」とは、申出の日の翌日を起算日としてその後五日に相当する日と解すべきである。
公職選挙法第九〇条の「申出の日以後五日に相当する日」の意義
公職選挙法90条(昭和29年12月法律207号による改正前)
判旨
公職選挙法90条に定める公務員の退職みなし期間は、申出の日の翌日を起算日として5日以内に退職承認がない場合に、その5日目の終末をもって退職したものとみなされる。これにより、立候補届出の最終日と退職みなしの効力発生日が重なる場合であっても、当該立候補は有効となる。
問題の所在(論点)
公職選挙法90条の退職みなし規定における期間計算の起算点および効力発生時期。特に、申出当日を起算日に含めるべきか否か、および「五日に相当する日」の解釈が問題となる。
規範
公職選挙法90条の「その申出の日から五日以内」とは、申出の日の翌日を起算日とする5日間を指し、「申出の日以後五日に相当する日」とは、当該期間の終末、すなわち退職の承認がないと確定したときを指すと解するのが相当である。これは、公務員の立候補の自由を保障しつつ、即時退職による行政上の不便を回避する趣旨に基づく。
重要事実
村助役であったDは、村長選挙に立候補するため、4月14日に退職の申出を行った。Dはその後、立候補届出の最終日である4月19日に立候補の届出をした。上告人は、Dの立候補が公務員の在職中禁止(公選法89条)に抵触し無効であると主張して、当選無効を求めた。
あてはめ
Dが退職を申し出たのは4月14日である。翌日の4月15日を起算日として5日を数えると、4月19日の終末をもって退職の承認がないことが確定し、同条に基づき退職したものとみなされる。本件選挙の立候補届出の最終時は4月19日の終末であるため、Dが同日に行った届出は、退職の効力発生と同時に有効なものとして確定する。もし申出当日を算入すれば、承認有無の確定前に辞職したとみなされる不合理が生じるが、翌日起算によればそのような不都合はない。
結論
Dの立候補は公務員の立候補制限に違反せず有効である。したがって、Dを当選人とした選挙の結果を正当とした原判決は維持される。
実務上の射程
期間計算において初日を算入しない原則(民法140条)と整合的な解釈を示した点に特徴がある。公務員の身分喪失と立候補の有効性を判断する際の基準時として、届出最終日の24時(終末)までに退職の効力が生じれば足りることを示唆しており、候補者の被選挙権保護に配慮した射程を有する。
事件番号: 昭和39(行ツ)39 / 裁判年月日: 昭和39年9月18日 / 結論: 棄却
一 地方公共団体の長の退職申出は、地方自治法第一四五条所定の期日前に退職するため議会の同意を得た後であつても、まだ後任者の選挙の期日の告示などその効果をみだりに動かしがたい行為が行われず、長個人にも信義則上咎むべき事情の認められない原判決判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、これを撤回することが許されると解すべ…
事件番号: 昭和27(オ)95 / 裁判年月日: 昭和28年2月3日 / 結論: その他
一 選挙の効力に関する訴願裁決書が訴願人に交付される前に、裁決の要旨が告示された場合において、訴願人以外の者が訴を提起するについての出訴期間は、訴願人に裁決書が交付された日から三〇日である。 二 当選の効力に関して異議、訴願を経ていない選挙訴訟において、当選有効の確認を求めることはできない。