公職選挙法第八六条第一項第五号にいう「その選挙の期日前四日」とは、選挙期日を第一日として逆算して、四日にあたる日を指すものと解すべきである。
公職選挙法第八六条第一項第五号の「その選挙の期日前四日」の意義。
公職選挙法86条1項
判旨
公職選挙法86条1項に規定される町村長候補者の届出期限である「選挙の期日前四日」とは、選挙期日を第1日として逆算して4日目にあたる日を指し、その日の開始前までに届け出る必要がある。
問題の所在(論点)
公職選挙法86条1項にいう、町村長候補者の届出期限である「選挙の期日前四日」の意義およびその算定方法が問題となる。
規範
「期日前○日」という期間の計算において、当該期間は選挙期日を第1日として逆算して○日目にあたる日を指すと解すべきである。したがって、候補者届出の適法性を満たすためには、当該逆算された日の開始前(すなわち前日の終了時)までに届出を完了させることを要する。
重要事実
町村長選挙において、候補者となろうとする訴外Dが立候補の届出を行った。公職選挙法86条1項は、町村長の候補者届出を「選挙の期日前四日」までに行うべき旨を規定している。この届出が適法な期間内になされたかどうかが争点となり、上告人は当該届出の適法性を否定して争った。
あてはめ
本件における町村長選挙の期日を第1日として逆算すると、4日目にあたる日が特定される。本件の届出は、この「4日目の始まる前」になされたものと認められる。公職選挙法の規定する期間制限の趣旨は、選挙準備の適正を期すため一定の猶予を置くことにあるから、当該4日目の当日ではなく、その前日中に届出を終える必要がある。原審が訴外Dの届出を適法とした判断は、この算定方法に合致しており、正当である。
結論
町村長選挙の立候補届出期限は、選挙期日から逆算して4日目にあたる日の開始前までであり、本件届出は適法である。
実務上の射程
行政法や公職選挙法上の期間計算(逆算)に関する基本判例である。民法等の一般的な期間計算原則との違いに留意しつつ、選挙事務の確定等の必要性から「前日までの完了」を求める厳格な解釈を示すものとして、実務上の届出期限の算定に用いられる。
事件番号: 昭和33(オ)63 / 裁判年月日: 昭和33年4月8日 / 結論: 棄却
「A兼光」と記載された投票は、候補者A左文太に対する有効投票と解することはできない。