現にマオラン麻の栽培がなされている土地であつても、その土地が、埋立工事によつて工場敷地に造成し周囲に塀をめぐらし、その中に工場を建設して工場経営をしている土地の一部休閑地であつて、客観的に工場用地としての要件を具備し本来工場経営のため使用する目的が明らかな土地である場合には、農地調整法(昭和二〇年法律第六四号による改正前のもの)にいう農地に該当しない。
農地調整法にいう農地にあたらない事例
農地調整法(昭和20年法律64号による改正前のもの)2条
判旨
農地法(旧農地調整法)にいう「農地」に該当するか否かは、客観的な土地の現況によって判断されるべきであり、本件土地がその要件を満たさないとした原審の判断は正当である。
問題の所在(論点)
農地法(旧農地調整法)における「農地」の意義およびその判断基準が問題となる。
規範
農地法(旧農地調整法)上の「農地」とは、耕作の目的に供される土地を指し、その判定は、土地の登記簿上の地目にとらわれず、客観的な現況によって決定されるべきである。
重要事実
本件土地が農地法上の「農地」に該当するか否かが争点となった事案において、原審は事実関係に基づき、当該土地が農地に該当しないと判断した。上告人はこの解釈を誤りであるとして上告した。
事件番号: 昭和28(オ)931 / 裁判年月日: 昭和30年9月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特定の土地が旧農地調整法上の「農地」に該当するか否かは、土地取得の動機、目的、将来の用途、沿革など、主観的および客観的諸般の事情を総合して判定すべきである。 第1 事案の概要:上告人は、本件係争土地について旧農地調整法上の農地であることを前提に、賃貸借の承継等を主張した。原審は、当該土地の取得目的…
あてはめ
原判決が確定した事実関係によれば、本件土地はその客観的現況に照らして耕作の目的に供されているものとは認められない。したがって、農地法上の農地に該当しないとした原審の判断に法令解釈の誤りはない。
結論
本件土地は農地法上の農地に該当しない。したがって、上告を棄却する。
実務上の射程
農地法の適用範囲を画する「農地」の概念について、現況主義を採用する実務上の基本原則を確認したものである。答案上は、登記上の地目に関わらず、客観的事実に基づき農地性を判断する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和29(オ)586 / 裁判年月日: 昭和32年6月13日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】損害賠償義務が認められるためには、当該滅失が債務者の責めに帰すべき事由によることについての証拠判断が必要であり、これがないまま賠償を命じることは法令違背にあたる。 第1 事案の概要:原告は、被告が原告の意に反してマオラン麻を引き抜き、または滅失させた場合には損害を賠償する義務がある旨を主張した。原…
事件番号: 昭和41(オ)1033 / 裁判年月日: 昭和42年3月23日 / 結論: 棄却
農地法第六条第五項は当該農地の耕作者に対し耕作権原を附与した規定と解すべきものではない。
事件番号: 昭和27(オ)575 / 裁判年月日: 昭和29年5月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】賃貸借または転貸借に基づき農地を適法に占有耕作している事実に加え、行政処分である買収処分が正規の手続を経てなされた場合には、当該処分は有効であり、不法占拠等の瑕疵は認められない。 第1 事案の概要:上告人は、被上告人(Bを除く)らが判示農地を占有耕作していることに関し、農地買収処分の無効等を主張し…