抵当権の実行による不動産競売手続において配当表が作成された場合、異議のある抵当権者は、抵当権者相互の抵当権の存否、順位、被担保債権の範囲及び競売手続において配当を受くべき金額等を主張して配当表に対する異議の訴訟を提起し得るものと解するを相当とする。
抵当権の実行による競売手続と配当異議訴訟の適否
競売法33条2項,民訴法634条,民訴法636条,民訴法697条
判旨
不動産競売手続において、配当に異議のある抵当権者は、他の抵当権者に対し、抵当権の存否や順位、被担保債権の範囲、配当額を争う配当異議の訴えを提起することができる。
問題の所在(論点)
不動産競売手続において、配当内容に異議のある抵当権者が、他の抵当権者を被告として配当異議の訴えを提起し、抵当権の存否や順位を争うことが認められるか。
規範
抵当権の実行による不動産競売手続において配当表が作成された場合、異議のある抵当権者は、抵当権者相互の抵当権の存否、順位、被担保債権の範囲、および配当を受けるべき金額等を主張して、配当異議の訴えを提起することができる。不服申立ての方法を、競売手続終了後の不当利得返還請求のみに限定すべき法理は存在しない。
重要事実
不動産の競売手続において配当表が作成されたが、抵当権者の一方が配当内容に不服を抱いた。当該抵当権者は、他の抵当権者との間での抵当権の有効性や優先順位等を争うべく、配当表に対する異議の訴訟を提起した。これに対し、このような訴えが可能かどうかが争点となった。
あてはめ
本件において、抵当権者間での優先順位や被担保債権の範囲に関する争いは、配当結果に直接影響を及ぼす重大な事項である。このような不服を配当手続の段階で解決できるようにすることは、競売法の趣旨に反しない。また、事後的な不当利得返還請求という手段があることをもって、手続内での是正手段である配当異議の訴えを否定する理由にはならない。したがって、本件抵当権者が提起した配当異議の訴えは、適法な救済手段として認められるべきである。
結論
異議のある抵当権者は、他の抵当権者に対し、配当異議の訴えを提起することができる。
実務上の射程
民事執行法上の配当異議の訴え(同法90条)の原告適格および訴えの利益に関する基本的判例である。配当額の増減を求める債権者間の紛争が、事後的な不当利得返還請求のみならず、配当手続内での訴訟によっても解決可能であることを示している。答案上は、配当受領権を争う法的手段の選択肢として、不当利得返還請求との対比で言及することが多い。
事件番号: 昭和49(オ)1131 / 裁判年月日: 昭和50年4月25日 / 結論: 棄却
競売法による不動産競売手続において、競売裁判所は、仮登記のある抵当権者に対してはその仮登記の本登記をすれば第三者に対抗することができる抵当権の順位および内容にしたがつて競売代金を配当すべく、その配当額についてはこれを供託し、後日その仮登記の本登記をするに必要な条件を具備するに至つたとき、これを右仮登記権利者に交付すべき…