未登記不動産の譲渡後仮処分決定に基く裁判所の嘱託により譲渡人のためになされた保存登記も、一般の保存登記と同一の効力を有する。
未登記不動産の譲渡後仮処分決定に基く嘱託により譲渡人のためになされた保存登記の効力
民法177条,民訴法756条,民訴法748条,民訴法751条,民訴法651条,不動産登記法25条
判旨
同一の不動産について二重に所有権保存登記がなされた場合、後にされた登記は、先にされた登記が不動産登記法上無効でない限り、実体法上の権利関係を反映していたとしても効力を有しない。
問題の所在(論点)
同一不動産について二重に所有権保存登記がなされた場合における、後登記の効力(民法177条の解釈)。
規範
同一不動産について重複してなされた所有権保存登記の優劣は、登記の前後によって決せられる。先にされた保存登記が実体法上無効であるといった特段の事情がない限り、後になされた保存登記は不動産登記法及び民法177条の趣旨に照らし、その効力を否定される。
重要事実
本件不動産(家屋)について、まずD名義での所有権保存登記がなされた。その後、同一の不動産について上告人名義での所有権保存登記が重ねてなされた。被上告人はD名義の登記を基礎として権利を主張し、上告人に対して家屋の明渡しを請求した。上告人は、自らの保存登記の有効性を主張してこれに争った。
あてはめ
本件では、先にD名義の所有権保存登記が存在していた。この先登記が実体法上無効であるとの事由は認められない。したがって、後になされた上告人名義の保存登記は、不動産登記の排他性に反し無効である。また、被上告人による明渡請求は権利の濫用にも当たらないと解される。
結論
後になされた上告人の所有権保存登記は無効であり、被上告人の明渡請求を認めた原判決は正当である。
実務上の射程
二重登記(重複登記)の解消に関する基本判例である。保存登記が重複した場合、登記の先後によって決するという原則を示しており、実務上、後登記の有効性を主張するためには先登記が無効であることを立証する必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和25(オ)278 / 裁判年月日: 昭和28年1月29日 / 結論: 棄却
第二点においては、上告人から被上告人えの所有権移転登記は無効であり、上告人はその登記の抹消をなさしめることができると主張するが、たとえ無効であるとしても、その旧名義人が曾て当該所有権を全く取得したことがなく、右無効の登記を抹消して旧登記名義を回復するにつき実体上何らの利益をも認められないときは右無効登記につき抹消登記を…