議員の会期外の行為でも、議会の開会を阻止し流会に至らしめるような議会運営に関する行為は、懲罰事由となる。
議員の会期外の行為を事由とする懲罰の適否
地方自治法134条
判旨
地方公共団体の議会による議員への懲罰は、必ずしも会期中の行為に限定されず、議会内の秩序保持のために必要であれば、流会後の最初の会議において過去の行為を対象とすることも許容される。
問題の所在(論点)
地方自治法上の議員に対する懲罰において、会期外(流会に至る過程)における議員の行為を懲罰の対象とすることができるか。また、議長の権限行使が職責に反する場合、懲罰の対象となるか。
規範
地方自治法134条(当時)に基づく議員の懲罰は、会議体としての議会内の秩序を保持することを目的とする。そのため、懲罰の対象となる行為は必ずしも会期中のものに限られず、議会運営を阻害するなどの行為があれば、その後の議会において秩序保持のために懲罰を科すことが可能である。ただし、不当に時期に遅れて問題とする場合はこの限りではない。
重要事実
村議会の議長であった上告人は、多数議員から開会要求があったにもかかわらず、自身の不信任決議の真否を確認することを理由に開会を拒否した。さらに、副議長が開会を宣しようとした際にもこれを阻止し、結果として議会を流会に至らしめた。その後、最初に行われた臨時会において、この流会を招いた行為が議会秩序を乱すものとして問題視され、上告人に対する除名議決がなされた。
事件番号: 昭和28(オ)425 / 裁判年月日: 昭和28年11月20日 / 結論: 棄却
議会の運営と全く関係のない議員の議場外における個人的行為は、懲罰事由とすることができない。
あてはめ
上告人は、議会の開会を宣言する権限を有していたが、多数議員の要求を無視し、かつ副議長の代替措置をも阻止して流会を招いており、権限の適正な行使という職責に著しく違反している。この行為は議会運営を直接妨げるものであり、会議体としての秩序保持の観点から懲罰の対象となり得る。本件懲罰は、流会後最初に行われた会議において迅速に取り上げられており、時期に遅れたものとはいえないため、適法な秩序保持権の行使と認められる。
結論
上告人の行為は会期外の事情を含むが、議会内の秩序保持のために必要である限り懲罰の対象となり、本件除名議決は適法である。
実務上の射程
部分社会の法理が形成される過程の判例であり、議会の自律的権能を広く認める趣旨を含む。答案上は、懲罰事由の「会期内」限定を否定し、秩序保持の目的から実質的に判断する際の根拠として活用できる。なお、除名処分については後に最高裁が司法審査の対象となる(昭和35年判決)と判示している点に注意が必要である。
事件番号: 昭和33(オ)878 / 裁判年月日: 昭和34年2月13日 / 結論: 棄却
地方自治法第七四条の二第八項の訴訟には行政事件訴訟特例法第二条の適用はない。
事件番号: 昭和25(オ)314 / 裁判年月日: 昭和26年2月20日 / 結論: 棄却
地方裁判所が高等裁判所の管轄に属する訴を異議、訴願を経ないとの理由で不適法として却下し、その判決に対して高等裁判所に控訴が提起された場合において、同裁判所は右判決を取り消し地方裁判所に差し戻さず直ちに同一の理由で訴を却下して差支えない。