都市計画法および特別都市計画法による区画整理の施行に際し、土地所有者または関係者は、特定の土地を換地または換地予定地として、指定すべきことを要求する権利を有しない。
都市計画法および特別都市計画法による区画整理に際し、土地所有者または関係人の特定の土地を換地または換地予定地として指定を求める権利の有無
都市計画法12条(昭和29年5月法律第120号による削除前),特別都市計画法13条,耕地整理法30条
判旨
換地または換地予定地の指定は整理施行者が決定すべき事項であり、土地所有者や関係者は、特定の土地を指してその指定を請求する権利を有しない。
問題の所在(論点)
土地区画整理(耕地整理)において、土地の関係者が施行者に対し、特定の土地を換地または換地予定地として指定することを求める具体的請求権が認められるか、およびその訴えの適否が問題となる。
規範
換地または換地予定地の指定は、耕地整理法等の関係法令に従い、従前の土地の状況を標準として整理施行者が決定すべきものである。法令の趣旨に適合しない指定に対しその取消しを求めて争うことは可能であるが、土地所有者や賃借権者等の関係者が、特定の土地を対象とする指定を直接請求する公法上の権利を有するものではない。
重要事実
上告人は、従前賃借権を有していたとされる土地(イ)の換地または換地予定地として、特定の土地(ロ)の指定および交付、あるいは指定交付義務の確認を求めて訴えを提起した。しかし、上告人は特別都市計画法施行令に基づく賃借権の届出を行っていなかった。
事件番号: 昭和32(オ)499 / 裁判年月日: 昭和34年9月23日 / 結論: 棄却
特別都市計画事業による換地処分がなされた場合、従前の土地の所有者は、事業施行者である県知事に対して、換地上の建物収去および換地引渡を求める私法上の請求権を有しない。
あてはめ
換地指定等は施行者の裁量的な決定に委ねられており、法令は関係者に対し特定の場所の指定を請求する権利まで付与していない。本件上告人は、賃借権の届出も欠いており、抽象的な換地指定の請求権すら有していない。したがって、施行者が特定の土地を指定する意思を表明していたとしても、上告人が特定の土地の指定を求める法的権利を取得することはない。
結論
上告人の請求は法的根拠を欠き失当である。行政庁に対し一定の行政処分をすることを命ずる司法裁判の限界を論ずるまでもなく、特定の土地の指定を求める本件請求は認められない。
実務上の射程
行政事件訴訟法施行前の判例であるが、義務付け訴訟(行訴法3条6項)における「法律上の利益」や、特定の処分を求める実体法上の権利の有無を判断する際の基礎となる。換地処分のような裁量的処分において、特定の給付・指定を求める具体的権利が認められないことを示す射程を有する。
事件番号: 昭和30(オ)907 / 裁判年月日: 昭和33年7月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地区画整理に伴う換地予定地指定の通知は、賃借人に対してもなされるべきであるが、特段の方式を要する旨の規定がない以上、書留配達証明郵便等の厳格な方式による必要はない。また、換地指定に伴う明渡請求は、施行者の措置に不備があったとしても、自らの意思に基づかず指定を受けた者が行う限り、信義則違反や権利濫…
事件番号: 昭和27(オ)738 / 裁判年月日: 昭和30年5月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】換地処分において従前の土地と換地の間に不均衡が生じても、それが直ちに違法となるわけではなく、金銭清算等の調整を含めて全体として考慮されるべきである。耕地整理法30条は換地と従前の土地との絶対的な同一性を要求するものではなく、公共的観点からの合理的な制約を認めている。 第1 事案の概要:都市計画道路…
事件番号: 昭和32(オ)328 / 裁判年月日: 昭和33年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】土地区画整理事業における換地予定地の指定処分について、従前の土地と比較して位置や利用価値等が著しく劣等でなく、かつ特定の者に不利益を強いるものでない限り、当該処分は適法である。 第1 事案の概要:上告人は、土地区画整理事業に伴う換地予定地の指定処分を受けたが、当該換地予定地が従前の土地と比較して位…