不動産競落許可決定に対する抗告棄却決定につきなされた特別抗告を却下する決定は、民訴第四二九条にいわゆる「即時抗告ヲ以テ不服ヲ申立ツルコトヲ得ル決定」にあたらない。
不動産競落許可決定に対する抗告棄却決定につきなされた特別抗告却下決定に対する再審申立の適否
民訴法429条,民訴法680条,競売法32条2項
判旨
最高裁判所がなした特別抗告に対する却下決定は、民事訴訟法上の「即時抗告を以て不服を申し立てることができる決定」には該当せず、これに対する再審の申し立ては不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所がなした「特別抗告を却下する決定」は、民事訴訟法第349条(旧法第429条)にいう「即時抗告を以て不服を申立つることを得る決定」に該当し、再審の対象となるか。
規範
決定に対する再審の申立て(民事訴訟法第349条、旧法第429条)が認められるためには、当該決定が「即時抗告を以て不服を申し立てることができる決定」であることを要する。終局判決に代わる決定としての性質を有しない、手続上の不備等を理由とする却下決定はこれに含まれない。
重要事実
申立人は、競売法に基づく不動産競落許可決定に対する抗告棄却決定に対し、さらに特別抗告を申し立てた。最高裁判所は、この特別抗告について却下決定(昭和27年(ク)第189号)を下した。申立人は、この最高裁判所による抗告却下決定を不服とし、再審の申し立てを行ったものである。
事件番号: 昭和24(ク)89 / 裁判年月日: 昭和25年2月23日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を持つのは、訴訟法上特に許容された場合に限られ、民事事件については憲法適合性の判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。再抗告に関する規定は適用されず、憲法違反の主張を含まない抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、民事事件に関する決定に対し…
あてはめ
本件で再審の対象とされているのは、最高裁判所がなした抗告却下決定である。しかし、この却下決定は、不服申立ての適法性を欠くことを理由になされた形式的な判断であり、実体的な権利関係を確定させる性質を持つ「即時抗告を以て不服を申し立てることができる決定」には該当しない。したがって、再審の申立てを可能とする民事訴訟法上の法的要件を満たさないと解される。
結論
本件再審申立は不適法であり、却下されるべきである。
実務上の射程
最高裁の決定に対して再審を申し立てる際の対象適格を厳格に限定する射程を持つ。民事訴訟法第349条の「決定または命令」が、判決に準ずる独立の不服申立てが許容される類型に限られることを示す実務上の指針となる。
事件番号: 昭和24(ク)6 / 裁判年月日: 昭和24年2月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合を除いてはすることができず、憲法判断の不当を理由としない抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、下級裁判所の決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、抗告申立書および抗告理由書の記載内容によれば、本件抗…
事件番号: 昭和25(ク)153 / 裁判年月日: 昭和25年12月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告裁判権を有するのは特別抗告(旧民訴法419条の2)に限られ、それ以外の事由による抗告は認められない。 第1 事案の概要:抗告人等が、下級裁判所の決定に対して最高裁判所へ抗告を申し立てた事案。抗告理由が憲法適合性の判断に関するものかどうかが問題となったが、記録上、旧民訴法4…
事件番号: 昭和25(ク)92 / 裁判年月日: 昭和25年9月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に最高裁判所への抗告が許容されている場合に限られる。民事事件においては、特別抗告(旧民訴法419条の2、現行336条)のみがこれに当たり、憲法違反以外の理由による抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、下級審の決定に対して最高裁判所へ…
事件番号: 昭和25(ク)87 / 裁判年月日: 昭和25年9月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、法律により特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告理由には、原決定における憲法適合性に関する判断の不当を主張する内容は含まれてい…