判決確定前既に生じていた事由に基ずく再審の訴が、その確定後五年を経過して提起された場合にあつては、その事情の如何を問わず、不適法として却下されることを免れない。
判決確定前に生じていた再審事由を判決確定後五年を経過してから知つた場合に再審の訴を提起できるか
民訴法424条
判旨
判決確定前に生じた事由に基づく再審の訴えは、判決確定から5年を経過した後は、当事者が再審事由を知った時期やその他の事情の如何にかかわらず、期間制限を定めた民事訴訟法の規定(現342条)により不適法となる。
問題の所在(論点)
判決確定前に生じた再審事由に基づく再審の訴えについて、判決確定から5年を経過した後に提起された場合、当事者の主観的事情等を考慮して適法とされる余地があるか(民事訴訟法342条2項・3項の除斥期間の解釈)。
規範
再審の訴えは、当事者間の争訟に確定力を与えて法的生活の安定を図るという訴訟目的の要請から、厳格な時間的制限を受ける。判決確定前に既に生じていた事由に基づく場合、判決確定後5年を経過したときは、当事者が再審事由を知ったか否か、あるいはこれを知った日の如何を問わず、一律にその提起が認められない(民訴法342条2項・3項参照)。
重要事実
再審の対象となった大津地方裁判所の判決(昭和15年(ワ)第59号)は、昭和16年12月26日に確定した。上告人が主張する再審事由は、当該判決の確定前に発生したものであった。しかし、上告人が本件再審の訴えを提起したのは、判決確定から約8年4か月が経過した昭和25年4月26日であった。
事件番号: 昭和43(オ)283 / 裁判年月日: 昭和45年12月22日 / 結論: 棄却
当事者が判決の確定前に再審事由を知つた場合においては、民訴法四二四条一項所定の再審期間は、判決確定の日から始まるものと解すべきである。
あてはめ
本件における再審事由は、上告人の主張自体から明らかな通り、判決が確定した昭和16年12月26日より前に発生している。本件再審の訴えが提起されたのは昭和25年4月26日であり、判決確定後5年の期間を大幅に経過している。このような時間的経過がある以上、上告人が主張する個別具体的な事情(所論のような事情)を考慮する余地はなく、期間制限の規定に基づき形式的に不適法と判断される。
結論
本件再審の訴えは、判決確定から5年を経過した後に提起されたものであり、不適法として却下される。
実務上の射程
再審の訴えにおける「5年の除斥期間」の性質が、当事者の主観的事情に左右されない絶対的な時間的制限であることを示している。答案作成上は、再審の訴えの適法性を検討する際、再審事由の有無(338条1項各号)に踏み込む前に、342条の期間制限を形式的に当てはめて門前払いの可否を確定させる論理展開に有用である。
事件番号: 昭和56(オ)858 / 裁判年月日: 昭和56年11月26日 / 結論: 棄却
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