一 日本国有鉄道とその職員との関係は公法および私法の両側面を有する関係である。 二 行政機関職員定員法に基く日本国有鉄道職員の解雇は行政事件訴訟特例法の関係においては行政処分に準じて取扱うべきものである。 三 行政機関職員定員法附則第七項ないし第九項は憲法第二八条に違反しない。
一 日本国有鉄道とその職員との関係の法律的性質 二 行政機関職員定員法に基く国鉄職員の解雇の性質 三 行政機関職員定員法附則第七項ないし第九項の合憲性
行政機関職員定員法附則7項,行政機関職員定員法附則9項,行政事件訴訟特例法10条,憲法28条
判旨
日本国有鉄道(国鉄)による定員法に基づいた職員の免職は、行政官庁による免職とその実質を同じくするものであるため、行政処分と同様に取り扱うべきである。したがって、当該免職の効力を民事上の仮処分によって争うことは、行政事件訴訟特例法により許されない。
問題の所在(論点)
国鉄による定員法に基づく職員の免職が、民事上の解雇にあたるのか、それとも行政事件訴訟法の対象となる「行政処分」にあたるのか。
規範
公共企業体の職員の身分について、どの範囲で特別権力関係に置くかは立法政策の問題である。法律により公務に従事する者とみなされ、国家公務員と同様の服務規律や地位の制限を受けるなど、その実質が行政機関の職員と等しい場合には、当該法律に基づく免職は行政処分に準じて取り扱うのが相当である。
重要事実
日本国有鉄道(国鉄)は、行政機関から分離して設立された公法上の法人であり、その職員は国鉄との間で私法上の側面を有する一方、法令により公務従事者とみなされ、争議行為の禁止や身分保障等の公法的制約を受けていた。政府は、財政上の必要から制定された行政機関職員定員法(定員法)に基づき、国鉄職員に対しても人員整理としての免職を実施した。これに対し、免職された職員が、本件免職は私法上の解雇であり、かつ不当労働行為にあたるとして、民事訴訟法上の仮処分を申し立てた。
あてはめ
国鉄は全額政府出資の公法人であり、運輸大臣の監督や国会による予算議決を受けるなど高度の公共性を有する。その職員も、服務規律や懲戒、恩給法等の適用において国家公務員に準ずる公法的性格を保有している。定員法に基づく人員整理は、国の財政上の要請から行政機関の職員に対して行われる整理とその実質において何ら変わりがない。そうであれば、国鉄が行う免職も行政官庁の処分に準じて取り扱うべきであり、当然に無効といえない限り、公権力の行使としての性質を有する。
結論
本件免職は行政処分と同様に取り扱われるべきである。したがって、行政事件訴訟特例法10条7項(当時)に基づき、民事訴訟法による仮処分を求めることは許されない。
実務上の射程
公法人が特別の法律(定員法等)に基づき、公務員に準ずる地位にある職員に対して行う身分変動措置の処分性を認める際の論拠となる。私法上の雇用関係が基本であっても、根拠法の性質や職務の公務員的性格により「行政処分」と構成される限界を示す事例である。
事件番号: 昭和30(オ)470 / 裁判年月日: 昭和32年5月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】国家公務員は国民全体の奉仕者として公共の利益に奉仕すべき立場にあるため、公共の福祉による必要最小限の制限として団体交渉権等の労働基本権が制限されることは憲法28条に違反しない。 第1 事案の概要:行政機関定員法(当時)附則3項に基づき、過員整理が行われた。当局は整理方針および内部基準を定め、上告人…
事件番号: 昭和34(オ)396 / 裁判年月日: 昭和35年7月21日 / 結論: 棄却
一 町村合併による新町の発足により旧町村の正式職員であつた者が新たに新町の職員として任命されたような場合には、条件附任用に関する地方公務員法第二二条の適用はない。 二 地方公務員法第二八条第一項第一号、第三号に該当するかどうかの判断は、任命権者の純然たる自由裁量に任された事項ではなく、同条の趣旨にそう一定の客観的標準に…