昭和二三年法律第一七九号(地方自治法の一部を改正する法律)附則第二条第五項の都道府県議会の議決の取消を求める訴は不敵法である。
昭和二三年法律第一七九号(地方自治法の一部を改正する法律)附則第二条第五項の都道府県議会の議決の取消を求める訴の適否
昭和23年法律179号(地方自治法の一部を改正する法律)附則(昭和25年法律143号による改正前のもの)2条,行政事件訴訟特例法1条
判旨
地方議会の議決は、原則として行政処分に当たらないが、議員の除名議決のように、執行機関の行為を介さず直ちに外部に対する法的効力を生ずるものは例外的に行政処分性を有する。
問題の所在(論点)
地方議会による市町村の廃置分合等に関する議決が、行政事件訴訟法上の「行政庁の処分」に該当し、抗告訴訟の対象となるか。
規範
「行政庁の処分」(行政事件訴訟法3条2項)とは、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。原則として、議会の議決は内部的な意思決定に過ぎず、執行機関の処分を経て初めて対外的な効力を生ずるため処分性を欠くが、例外的に、議決自体が直接外部に対し法律上の効果を及ぼす性質を有する場合には、行政処分に当たる。
重要事実
市町村の廃置分合または境界変更に関して、地方自治法等の規定に基づき県議会がなした議決の取消しが求められた事案。上告人は、当該議決が行政処分に該当し、抗告訴訟の対象になると主張した。
事件番号: 昭和25(オ)205 / 裁判年月日: 昭和29年3月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】都道府県知事が市町村の廃置分合等を行う前提となる県議会の議決は、外部に対し直接法律上の効果を及ぼすものではないため、行政処分に当たらない。 第1 事案の概要:昭和23年法律179号(現行の地方自治法関連)に基づき、県知事が市町村の廃置分合または境界変更を定めるにあたり、その前提要件として当該都道府…
あてはめ
県議会は県の意思決定機関であり、その議決は内部的な意思決定に止まる。本件のような市町村の境界変更等に関する議決は、それ自体が外部に対し直接法律上の効果を及ぼすものではなく、これに従って知事が執行することによって初めて対外的な効果を生ずるものである。したがって、当該議決は知事が行う行政処分の前提要件に過ぎない。地方自治法に知事の出訴規定があるが、これは行政機関相互の意見調整のための特別規定に過ぎず、議決の処分性を基礎付けるものではない。また、議員の除名議決は議決自体で効力を生ずるため例外的に処分性が認められるが、本件議決はそのような性質を有しない。
結論
本件県議会の議決は、行政処分には当たらず、抗告訴訟の対象とすることはできない。
実務上の射程
行政処分性の判断において、行為が「直接」「対外的に」法的効果を及ぼすかという基準(処分性概念)を明確にした。内部的な意思決定(中間的行為)と最終的な処分を区別する際のリーディングケースとして活用できる。また、例外として言及された「議員の除名議決」は、内部事項であっても処分性が認められる特殊な例として答案上重要である。
事件番号: 昭和25(オ)411 / 裁判年月日: 昭和26年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】村議会の解散請求に関する投票の有効性や請求者の法定数充足といった事実認定に関する主張は、上告審における調査事項に当たらない場合、審理不尽等の違法を理由とした上告は認められない。 第1 事案の概要:上告人(a村会議長)は、a村議会の解散請求についてなされた賛否の投票が真実のものであるか、および解散請…
事件番号: 昭和35(オ)694 / 裁判年月日: 昭和37年7月13日 / 結論: 破棄自判
一 小学校教諭が三月二五日に学校長に退職願を提出したが、同日夜撤回を決意し、翌二六日学校長に対し撤回方の尽力を依頼し、翌二七日市教育委員会学校教育課長に撤回を申し入れ、さらに、翌二八日に県教育委員会委員長に対し、退職願取消の申入と題する自己名義の文書に押印し発送した場合は、年度末教員の大異動が差し迫つていたからといつて…
事件番号: 昭和39(行ツ)28 / 裁判年月日: 昭和39年10月13日 / 結論: 棄却
人事委員会に不利益処分の審査請求をした手続の当事者であつても、同委員会に対し、その議事録の閲覧を請求する権利が与えられているものではない。