一 裁判所が当事者の弁論再開の申請を採用しなかつたため、新たな証拠及び抗弁の提出ができなかつたとしても、それは、証拠及び抗弁を不当に制限したことにはならない。 二 口頭弁論期日の呼出状で判決言渡の期日を通知することは適法である。
一 弁論の再開申請の不採用と弁論の不当制限。 二 判決言渡期間の通知。
民訴法133条,民訴法137条,民訴法144条,民訴法154条,民訴法190条
判旨
弁論の再開は裁判所の職権(専権)事項であり、当事者の再開申請は裁判所の発動を促すものにすぎない。また、判決言渡期日は口頭弁論期日であるため、口頭弁論期日呼出状による言渡期日の通知は適法である。
問題の所在(論点)
弁論終結後の弁論再開申請を容認せずに判決を言い渡すことの可否、および「口頭弁論期日呼出状」による判決言渡期日の告知の適法性が問題となる。
規範
1.弁論の再開(民事訴訟法153条)は裁判所の専権事項であり、当事者の再開申請は単に裁判所の職権発動を促すものにすぎない。2.判決の言渡しは口頭弁論期日に行われるものであるから、判決言渡期日の通知を「口頭弁論期日呼出状」の形式で行うことは適法である。
重要事実
上告人は控訴審において弁論終結後に弁論再開申請書を提出したが、裁判所は弁論を再開せずに判決言渡期日を変更・指定し、上告人に対し「口頭弁論期日呼出状」を送達した。上告人は、再開申請を無視して判決を言い渡したことは証拠提出の不当な制限であり、また判決言渡期日としての通知がなかった点も違法であると主張して上告した。
あてはめ
1.弁論再開は裁判所の裁量に属する事項であるため、事件が裁判をなすに熟したと認めて弁論を終結した以上、当事者から再開申請があってもこれに応じないことが直ちに違法となるものではない。2.判決言渡しは性質上、口頭弁論期日においてなされるものであるため(旧法142条等)、呼出状に「判決言渡」の旨の明記がなくても、口頭弁論期日としての呼出状を送達している以上、期日の通知として手続上の瑕疵はない。
結論
本件裁判所の措置に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
弁論再開が裁判所の広い裁量(専権)に属することを強調する際の典拠となる。また、判決言渡期日の指定や通知に関する手続的要件が争われた際の基礎的な解釈を示す判例である。
事件番号: 昭和40(オ)463 / 裁判年月日: 昭和42年6月27日 / 結論: 棄却
単に「やむをえぬ出頭不能の事情が発生した」というだけでは、民訴法第一五二条第五項にいう「顕著ナル事由」にあたらない。
事件番号: 昭和23(オ)32 / 裁判年月日: 昭和23年7月17日 / 結論: 棄却
病院の建物を執行吏の保管に移し、債務者の申立があるときは、債務者が右建物において医業を経営するに必要な限度で、これにその使用を許すべき旨を執行吏に命ずる仮処分は、建物の医業経営に必要な限度の判断を執行吏に委ねているからといつて、違法ではない。
事件番号: 昭和28(オ)72 / 裁判年月日: 昭和29年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】権利濫用の成否について、原審が認定した事実に基づき、権利の濫用を認めるべきでないとした原判決の判断を正当として維持したものである。 第1 事案の概要:上告人は、相手方の行為が権利濫用に該当すると主張して上告したが、具体的な事案の内容や原因となった紛争の詳細は本判決文からは不明である。原審(二審)は…
事件番号: 昭和24(ク)67 / 裁判年月日: 昭和24年10月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合に限り許容される。具体的には、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)の特別抗告のように、憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告申立書の内容から、…