刑事訴訟規則第二九〇条第一項は、訓示規定である。
刑事訴訟規則第二九〇条第一項は訓示規定か。
刑訴規則290条1項,刑訴法463条の2第1項
判旨
刑事訴訟規則290条1項が定める判決宣告後の権利告知に関する規定は訓示規定である。したがって、同規定に違反したとしても、直ちに判決の効力に影響を及ぼすものではない。
問題の所在(論点)
判決の宣告をした後、被告人に対し、上告することができる旨、上告申立期間、および上告趣意書を差し出すべき裁判所を告知すべきと定める刑事訴訟規則290条1項の法的性質(効力規定か訓示規定か)。
規範
刑事訴訟規則290条1項は、被告人に対して上告理由書提出期間等を告知すべきことを定めているが、この規定は訴訟手続上の便宜を図るための訓示規定と解すべきである。
重要事実
被告人は、原審の判断において、判決宣告後に刑事訴訟規則290条1項に基づく告知が適切になされなかった点につき、訴訟法違反があるとして上告を申し立てた。原審は、当該規定を訓示規定であると判示していた。
あてはめ
刑事訴訟規則290条1項の規定は、判決の内容や成立過程そのものを規律するものではなく、判決後の上告手続の教示を目的とするものである。そのため、本規定の不遵守は、判決の効力を左右する重大な違法とはいえず、訓示規定にすぎないとする原審の判断は正当である。
結論
本件上告は棄却される。刑事訴訟規則290条1項違反は、適法な上告理由には当たらない。
実務上の射程
裁判所が権利告知を失念した場合であっても、判決自体の効力は否定されない。実務上、上告期間の徒過などが問題となる場面で、告知の有無が不変期間の起算点に影響するかどうかの議論(不利益な取扱いの禁止)と整理して理解する必要がある。
事件番号: 昭和29(し)3 / 裁判年月日: 昭和29年9月21日 / 結論: 棄却
一 原判決の示すところによれば、控訴審が、被告人に第一回公判期日の召喚状を適法に送達したところ、被告人がその公判期日に出頭しなかつたので、そのまま開廷審理の上結審し判決宣告期日を指定告知し、さらにその宣告期日にも被告人が出頭しないのでそのまま判決を宣告したというのであつて、かかる場合判決の宣告は被告人に対し効力を生じ、…