一 合衆国軍隊の構成員等以外の者が、「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」第六条の規定の適用を受けた物品である自動車を日本国内において譲り受けようとするときは(同法第一二条第一項の適用を受ける譲受)、昭和三三年法律第六八号による改正前においても、旧物品税法第八条第二項による課税標準の申告をすることを要する。 二 前項の場合において、税関の許可を受けないで免税物品を譲り受け、関税および物品税の賦課決定を不能または著しく困難ならしめたときは、関税法第一一〇条第一項第一号および旧物品税法第一八条第一項第二号にいう「詐偽その他不正の行為」により関税および物品税を免かれた場合にあたる。 三 関税法第一一〇条第一項第一号の犯則事件についてなされた税関長の告発の効力は、右の罪と科刑上一罪の関係にある同法第一一一条第一項の罪にもおよぶ。
一 「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和二七年法律第一一二号−同三三年法律第六八号による改正前のもの)第一二条第一項の適用を受ける譲受と旧物品税法(昭和三七年法律第四八号による改正前の物品税法)第八条第二項による課税標準の申告の要否 二 税関の許可を受けないで前項の譲受をして関税および物品税を免かれた場合と関税および物品税の逋脱罪の成否 三 関税法第一一〇条第一項第一号の犯則事件についてなされた税関長の告発の効力は同法第一一一条第一項の罪におよぶか
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和27年法律112号−昭和33年法律68号による改正前のもの)1条,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和27年法律112号−昭和33年法律68号による改正前のもの)6条5号,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和27年法律112号−昭和33年法律68号による改正前のもの)7条,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和27年法律112号−昭和33年法律68号による改正前のもの)12条1項,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和27年法律112号−昭和33年法律68号による改正前のもの)12条3項,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和27年法律112号−昭和33年法律68号による改正前のもの)12条4項,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約3条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」(昭和27年法律112号−同昭和33年法律68号による改正前のもの)7条,関税法110条1項1号,関税法111条1項,関税法140条1項,物品税法(昭和37年法律48号による改正前のもの)8条2項,物品税法(昭和37年法律48号による改正前のもの)18条1項2号
判旨
関税法110条1項1号の犯則事件に関する税関長の告発の効力は、当該事案と科刑上一罪の関係にある同法111条1項の罪にも及ぶ。また、税関の許可なく免税物品を譲り受け、公租公課の賦課決定を不能又は著しく困難にさせることは「詐偽その他不正の行為」に該当する。
問題の所在(論点)
1. 関税法110条1項1号の罪についてなされた告発の効力は、科刑上一罪の関係にある同法111条1項の罪に及ぶか。2. 税関の許可を得ずに免税物品を譲り受ける行為は、関税法110条1項1号等の「詐偽その他不正の行為」にあたるか。
規範
1. 関税法違反の犯則事件における税関長の告発の効力は、告発対象とされた罪のみならず、これと科刑上一罪の関係にある他の罪に対しても及ぶ。2. 「詐偽その他不正の行為」とは、税関の許可を受けずに免税物品を譲り受ける等、税務当局による賦課決定を不能または著しく困難ならしめる行為を指す。
重要事実
被告人は、合衆国軍人から、日本国内において免税特例(行政協定実施に伴う関税法等臨時特例法)の適用を受けていた自動車を譲り受けた。被告人は、当該自動車が関税及び物品税が未納であることを認識しながら、税関の許可を受けず、かつ税を納付しないまま譲り受けた。これにより、関税法110条1項1号(関税ほ脱罪)等の容疑で告発・起訴されたが、弁護人は告発の効力や犯意の有無等を争った。
あてはめ
1. 告発の効力について、関税法110条1項1号の罪と111条1項の罪が科刑上一罪の関係にある場合、手続の便宜および犯則事実の不可分性から、告発の効力は一体として及ぶと解するのが相当である。2. 不正の行為について、被告人は関税・物品税の未納を認識しつつ、法定の手続(税関の許可)を経ずに譲り受けており、これにより賦課決定を不能または著しく困難にしたといえる。このような態様は、税を免れるための積極的な脱法行為であり、詐偽その他不正の行為に該当すると評価される。
結論
1. 告発の効力は科刑上一罪の関係にある他罪にも及ぶ。2. 税関の許可を得ない免税物品の譲受は「詐偽その他不正の行為」に該当し、被告人には犯意も認められるため、有罪とする原判決は相当である。
実務上の射程
刑事訴訟法における告発の不可分性(客観的範囲)に関する重要判例。特に、関税法等の専売的・財政的犯罪において、一部の罪名でなされた告発が、訴因変更や観念的競合を介して他の罪名にも及ぶことを肯定する実務上の根拠となる。答案上は、告発が訴訟条件となる事案において、告発の対象事実と起訴事実の同一性や罪数関係を検討する際に引用すべきである。
事件番号: 昭和34(あ)126 / 裁判年月日: 昭和38年5月22日 / 結論: 棄却
関税法第一一八条にいわゆる犯人には、行為者のみならず、いわゆる両罰規定により処罰される法人または人をも包含するものと解するのを相当とする。
事件番号: 昭和37(あ)1866 / 裁判年月日: 昭和39年7月1日 / 結論: 棄却
一 法人の代表者に対する関税法違反被告事件において、同法第一一八条第一項により、第三者たるその法人所有の犯罪貨物を没収するにあたつては、被告人に対して犯罪事実に関する弁解、防禦の機会が与えられているかぎり、改めてその法人に対してこれらの機会を与えることを要しない。 二 関税法第一一八条第二項にいわゆる犯人とは、犯罪貨物…