売春防止法第一一条第二項にいう「業とする」とは、反覆継続して行う意思のもとに同条項所定の行為をする場合を指称し、売春を行うための特別の設備を持ち、一個の業態として右行為をなすことを必要とするものではない。
売春防止法第一一条第二項にいう「業とする」の法意
売春防止法11条
判旨
売春防止法11条2項にいう「業とする」とは、反復継続の意思をもって、情を知って売春の業務に供する目的で資金、土地又は建物を供与する行為を指す。営利の目的の有無は問わず、特定の事業として行われることを要する。
問題の所在(論点)
売春防止法11条2項(場所提供等を業とする罪)の構成要件である「業とする」の意義が問題となる。
規範
「業とする」とは、反復継続の意思をもって同種の行為を繰り返すことをいう。営利の目的があることは必ずしも必要ではないが、単なる一回的な行為ではなく、社会生活上の地位として行われる程度の継続性が求められる。
重要事実
被告人が売春防止法11条2項違反(場所提供を業とする罪)で起訴された事案において、被告人は売春の用に供されることを知りながら、反復継続して建物等を供与していた。弁護人は、同条項の「業とする」の解釈について法令違反があるとして上告した。
あてはめ
本件において被告人が行った、売春の業務に供する目的での建物等の供与行為は、反復継続の意思に基づき行われたものである。原判決が「業とする」の意義について示した、反復継続の意思をもって特定の業務を行うという判断は正当であると認められる。
結論
売春防止法11条2項の「業とする」とは、反復継続の意思をもって当該行為を行うことを指し、本件被告人の行為はこれに該当する。
実務上の射程
行政法や他の刑事法規における「業とする」の解釈と同様の枠組みを示す。営利目的の要否が争点となる場合に、本判決を根拠として「反復継続の意思」を中核に据えた論証が可能となる。
事件番号: 昭和38(あ)2490 / 裁判年月日: 昭和39年2月8日 / 結論: 棄却
旅館を経営する者が、多数回にわたり反覆してその客室を売春のために提供している場合には、売春場所提供の対価又は売春報酬の一部を取得した事実がなくても、売春防止法第一一条第二項の「売春を行う場所を提供することを業とした者」にあたる。