児童福祉法第三四条第一項第七号にいう「児童を引き渡す行為」は児童の意思に反すると否と、また犯人が職業としてこれを行うと否とを問わず成立するものと解すべきである。
児童福祉法第三四条第一項第七号にいう「児童を引き渡す行為」の意義
児童福祉法34条1項7号
判旨
児童福祉法(昭和30年当時)34条1項7号にいう「児童を引き渡す行為」は、児童の意思に反するか否か、および犯人が職業としてこれを行うか否かを問わず成立する。
問題の所在(論点)
児童福祉法34条1項7号にいう「児童を引き渡す行為」の成立に、児童の意思に反すること、または行為者が職業として行うことが必要か。
規範
児童福祉法34条1項7号(※現行法34条1項9号等参照)の禁止する「児童を引き渡す行為」の成否は、児童本人の意思や、行為者が職業として反復継続して行っているかという事情に左右されない。同条の趣旨は児童の福祉を保護することにあり、特定の主観的・職業的態様を要件とするものではない。
重要事実
被告人Aらは、児童を他者に引き渡す行為に及んだとして、児童福祉法違反の罪に問われた。弁護側は、当該引渡しが児童の意思に反しないものであること、および被告人が職業としてこれを行ったものではないことを理由に、同法違反の構成要件に該当しない旨を主張して上告した。
あてはめ
最高裁は、同条項の解釈において、引渡しが「児童の意思に反すると否と、又犯人が職業としてこれを行うと否とを問わず成立するもの」と判断した。したがって、児童が同意していたとしても、また単発の行為であったとしても、客観的に引渡し事実が認められる以上、同号の構成要件を充足するといえる。
結論
児童福祉法上の「児童を引き渡す行為」は、児童の意思や職業性の有無にかかわらず成立するため、被告人らの主張は理由がなく、有罪とした原判決は維持される。
実務上の射程
児童福祉法における禁止行為の解釈を、児童の自己決定権や営業的側面によって限定しないことを示した判例である。答案上は、児童福祉法違反の成否が争点となる際、構成要件を広く解釈する根拠として活用できる。
事件番号: 昭和39(あ)2816 / 裁判年月日: 昭和40年4月30日 / 結論: 棄却
児童福祉法第三四条第一項第六号の児童に淫行をさせる行為のうちには、直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をも包含すると解するを相当とする。