他人の氏名を詐称して投票するものであることを知りながら選挙管理委員会書記が投票用紙を交付して投票させた場合には、右氏名詐称者が選挙権者であると否とを問わず、公職選挙法第二三七条第二項の罪の幇助罪を構成する。
他人の名を詐称して投票するものであることを知りながら選挙管理委員会書記が投票用紙を交付する行為と公職選挙法第二三七条第二項の罪の幇助罪の成否
公職選挙法237条1項,公職選挙法237条2項,刑法62条
判旨
上告趣意が事実誤認、単なる法令違反、または量刑不当の主張に留まる場合、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないため、上告は棄却される。
問題の所在(論点)
事実誤認、単なる法令違反、または量刑不当の主張が、刑事訴訟法405条の上告理由に該当するか。
規範
刑事訴訟法405条所定の上告理由(憲法違反、憲法解釈の誤り、判例違反)に該当しない事実誤認、単なる法令違反、または量刑不当の主張は、適法な上告理由とはならない。
重要事実
被告人側が事実誤認、法令違反、および量刑不当を理由として上告を申し立てた事案。原判決の法令解釈の適否および職権調査(刑訴法411条)の必要性が問題となった。
あてはめ
弁護人の主張は事実誤認および量刑不当の主張に留まり、刑事訴訟法405条が規定する上告理由(憲法違反等)を含まない。また、原判決の法令解釈は正当であり、記録を精査しても同法411条を適用して判決を取り消すべき事由(著しい正義に反する事情等)は認められない。
結論
本件上告は刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないため、同法414条、386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
上告審の構造が事後審であることを示し、上告理由が限定的であることを確認する際に参照される。答案上は、上告理由の適格性や、最高裁判所による職権破棄事由(411条)の存否を検討する場面で活用できる。
事件番号: 昭和30(あ)629 / 裁判年月日: 昭和30年10月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法405条に基づく上告において、原審で主張も判断もされていない事項を上告理由とすることはできず、また単なる事実誤認の主張も適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人4名の弁護人が、原審で主張も判断もなされていない事項(上告趣意第1点)および事実誤認(同第2点)を理由として上告…